ナスルッラー書記長、イスラエルとの捕虜交換取引の詳細について説明
2008年07月03日付 Al-Nahar 紙

■ 首相とアウン議員の新しい構想が組閣交渉を動かす
■ ナスルッラー・ヒズブッラー書記長、捕虜問題終結への作業進行にともない開放的な演説:「全ての者に勝利を。我々には統一を回復するあらゆる政治的会合への用意がある」

2008年07月03日アル=ナハール紙(レバノン)HP1面

 ヒズブッラーのハサン・ナスルッラー書記長が、イスラエルとの捕虜交換取引の成就に向けて行われている諸措置と並行して[国内各派の]政治的会合を開催する可能性に関して開放的な立場を表明し、政府組閣に関してはフアード・アル=セニョーラ首相とミシェル・アウン中将の間で直接の協議が再開されるという2つの顕著な進展の中で、政界に再び先行きを楽観する空気が広がりつつある。

 組閣作業の行き詰まりを打開する新たな試みは重要なものであり、一部では近く政府が誕生する予想する向きもあるが、ハサン・ナスルッラー書記長が昨日行った記者会見の方が、捕虜交換取引に到った交渉の詳細な説明の重要性ゆえにより多くの注目を集めた。捕虜5人とレバノン人、パレスチナ人、アラブ人200人の遺体の返還の後、捕虜問題は終結することになる。

 ナスルッラー書記長が「長く困難かつ複雑であった」と表現した捕虜交換交渉では、ヒズブッラーが提示した4つの「原則と基本事項」が取り上げられた。それは、「サミール・アル=クンタール同志をはじめとするレバノン人捕虜全員とレバノンから入り未だに敵が集団墓地またはいわゆる『番号墓地』に保存している殉教者全員の遺体を返還の対象に含めること、全ての行方不明者に関する問題の決着、パレスチナ人およびアラブ人捕虜の解放、イラン人外交官4人の問題の解決」である。

 ナスルッラー書記長は、レバノンに返還されるであろうレバノン人、パレスチナ人、アラブ人の遺体の数は199ないし200体になると推定し、「発表された合意は、我々の側が受け入れた成立済みのものであり、定められた手続きに従って我々は行動することになるだろう」と公式に発表するとともに、合意が「1週間か2週間以内に」実行されるとの見通しを示し、7月15日に実行される可能性があることを示唆した。

 またナスルッラー書記長は、「現時点ではヒズブッラーが捕虜にしているイスラエル兵の安否については何の情報も提示されておらず、イスラエルで言われていることは全て分析や推論に過ぎない。我々は何の情報も与えていない」と言明した。

 また、「この成果と勝利について全てのレバノン人を祝福」するとともに、「全てのレバノン人がこの成果を彼ら自身の成果と受け止め、この勝利を彼ら自身の勝利とみなすことを望んでいる。我々はこの勝利を国内の勢力関係において利用したくはない」と述べ、「この成果の甲斐あって、レバノンはアラブ・イスラエル紛争において初めて捕虜問題を終結させた国になる。つまり、イスラエルの牢獄にはレバノン人捕虜は1人も残らず、殉教者の純潔なる体の骨一つ、肉片一つとして祖国の外に残されなくなる」と述べた。

(後略)

Tweet
シェア


この記事の原文はこちら

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:平川大地 )
( 記事ID:14282 )