論説:ガザの爆破事件の影響
2008年07月28日付 al-Quds al-Arabi 紙

■ 侮辱に抗議するパレスチナ人 

2008年07月28日付クドゥス・アラビー(イギリス)HP1面

パレスチナ人たちの現状は悲劇に沈んでいるように見受けられる。だが現在の崩壊の程度はあらゆる面において、まだ最底辺には達していないと言っても過言ではない。〔ハマースとファタハという〕パレスチナ政治の等式の両側で、メディア・政治・治安を舞台に恐ろしいまでに事態がエスカレートする中、間違いなく状況はさらに悪化するであろう。

ガザ地区で起きた爆発は、ハマースの第二戦線の現場指揮官5人を狙ったものだった。それにより、彼ら全員と少女一人が死亡したのに加え、偶然その場に居合わせた数十人が負傷した。ハマースは逃亡したファタハの治安責任者たちが事件の背後にいると疑い、幹部を含むファタハのメンバー200人を逮捕、ファタハの拠点やスポーツクラブをすべて制圧した。

ハマースが直接ファタハに嫌疑を向けるのは始めてのことだ。以前は爆発や暗殺が起こるたびに、その背後にイスラエルの存在を疑っていたというのに。まだ分かってないが、数日のうちには明らかになることを我々が期待する、なんらかの事態の変化があったに違いない。

あらゆる一線を越えることになる爆破は確かに危険だ。だがしかし、嫌疑を向けることは爆破よりもっと危険である。なぜなら、嫌疑の後に来るのは暗殺作戦でありうるからだ。しかもその作戦はパレスチナ領外にまで広がりかねない。ハマースの話を信じるならば、内乱の首謀者たちはラーマッラーに、アラブ諸国の首都に、なかんずくカイロに存在しているからである。

ガザ地区は150マイル四方にも満たない小さな地区である。ほとんどのことは知れわたり、秘密を作ることは難しい。さらに重要なのは、この地区が貧困や過激主義、部族的または氏族的・地域的な自治の温床であり、セクトやドグマごとの分断に支配されているということだ。したがって、〔イスラエルとの〕停戦合意の失敗のために鬱積している現状が求めているのは、マッチが投げ込まれて、イスラエル以外には誰も望んでいない、血まみれの大爆発が起こることなのだ。

(後略)

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( 翻訳者:根田文佳 )
( 記事ID:14543 )