イスラエル政府、パレスチナ人収監者の釈放基準緩和へ
2008年08月29日付 Al-Ahram 紙

■ イスラエルがパレスチナ人収監者の釈放基準緩和を決定
■ イスラエル政府、シャリット解放の見返りとしてハマースの要求に応じることを検討
■ ファタハ:「パレスチナの分裂状況終結をエジプトに賭けるのは正しい」

2008年08月29日付アル・アハラーム紙(エジプト)HP1面

【ガザ:アシュラフ・アブルホウル】

イスラエル政府はエフード・オルメルト首相、エフード・バラク国防相、ツィピ・リブニ外相による会合後、手を血に染めた〔=イスラエル人を死傷させた〕容疑がかけられたパレスチナ人収監者の釈放基準を緩和することを決定した。

イスラエル・ラジオの報道によれば、ハイム・ラモン副首相を議長とする「囚人釈放基準変更のための特別閣僚委員会」が次の日曜日に開催され、基準緩和の手順が議論される。

またイスラエルのイディオート・アハロノート紙によると、イスラエル政府は国内治安機関シャバクの反対にもかかわらず、イスラエル兵士ギラード・シャリット〔注:2006年以来ハマースに拘束されているイスラエル人兵士。誕生日が8月29日であることから、イスラエル国内で解放を望む声があがっていた〕解放の見返りとして釈放するパレスチナ人囚の範囲を拡大する決意だという。

イディオート・アハロノート紙インターネット版は、釈放リストの中にはこれまでに合意された70人の氏名に加え、ハマースがリストに載せてきたイスラエル人殺害作戦の実行犯複数の名が含まれると予測する。また同紙はオルメルト首相もリブニ外相もバラク国防相も、シャリット解放問題の交渉を動かすために出来る限りの努力をしており、11月の捕虜交換で合意できるよう全力を尽くすというエジプトの意向について、バラク国防相がアレキサンドリア訪問で感触を得てきたことを受けて、イスラエル政府はハマースの要求に応える用意があるとの姿勢を見せようと努力しているのだと指摘した。バラク国防相はエジプト政府から、シャレット解放の見返りにハマースが要求している釈放対象者の数は相変わらず450人であるとの内容の書簡を持ち帰っていた。

一方、ファタハはパレスチナの内部分裂状況を終結させるためにエジプトに賭けることは客観的かつ正しい賭けであると強調し、パレスチナの調和を回復し、流血の続くガザ地区の傷口を塞ぎ、祖国統一をなしとげるために、ファタハはエジプトの努力を全力で支持すると述べた。

(後略)

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( 翻訳者:勝畑冬実 )
( 記事ID:14617 )