パレスチナ大統領がレバノン訪問、国軍司令官にカフワジー准将任命へ
2008年08月29日付 Al-Nahar 紙

■ マフムード・アッバース大統領がベイルート訪問:「在住パレスチナ人はレバノンの法律に従う」
■ カフワジー准将をきょう国軍司令官に選出へ、ジュンブラート議員は反対
■ スレイマーン大統領、9月25日に訪米しブッシュ大統領と会談へ

2008年08月29日付アル=ナハール紙(レバノン)HP1面

 政府首脳らは昨日、パレスチナのマフムード・アッバース大統領の訪問で忙殺されたが、新しい国軍司令官の任命問題に決着をつけるための協議や国内各方面との連絡は引き続き行われた。

 こうした協議によって、最有力候補に関する合意を阻む障碍は克服され、昨日予定されていた閣議は延期されたが、今日の夜をバアブダ宮殿での閣議の招集日とすることが取り決められた。

 関係筋が一致して伝えたところでは、5月25日に大統領に選出されるまで国軍司令官を務めていたミシェル・スレイマーン大統領の後任として、ジャン・カフワジー准将を国軍司令官に任命することで合意が成立した。スレイマーン氏の大統領選出後は、シャウキー・アル=ミスリー参謀長が国軍司令官代行を務めていた。

 しかし、「民主主義会合」代表であるワリード・ジュンブラート議員がカフワジー准将の任命に反対する姿勢を崩さなかったため、今日の閣議では政府に代表を送り込んでいる全勢力の一致によって新司令官が任命されることはないと見られる。「民主主義会合」所属の閣僚であるガーズィー・アル=アリーディーとワーイル・アブー・ファーウールは閣議でこの反対姿勢を明確化し、採決が行われた場合は任命に反対票を投じ、採決が行われなかった場合は反対の姿勢を表明する見込みだ。

 スレイマーン大統領はバアブダ宮殿にパレスチナ大統領を迎えてレセプションを行った際に、ナビーフ・ビッリー国会議長およびフアード・アル=セニョーラ首相と各々会合を行った。セニョーラ首相は会談後、テレビ局向けのコメントは発表しなかったが、記者との談話の中で、スジュドでの軍用ヘリの事件について「遺憾である」と述べ、慌てずに関係部局の行う調査を待つよう呼びかけた。また、国軍司令官の任命は今夕6時から行われる定例閣議の協議事項であると説明したが、今回の閣議で任命が行われるかについては明言を避けた。また、賃金改正問題が協議事項に含まれることは否定し、法案についてはなお民間部門と詰めていく必要があると説明したが、法の効力については今年の5月まで遡及させると言明した。

 消息筋によると、パレスチナ大統領とレバノン政府高官の協議では、レバノン在住パレスチナ人の状況に関して合意がなされる方向で、パレスチナ大統領はレバノン政府高官らに対して、レバノンのあらゆる決定、特にパレスチナ人の取り扱いに関して[レバノン各派の]対話の場でなされる決定を尊重するというパレスチナ自治政府およびパレスチナ解放機構の方針は確固たるものであると保証した。

 同筋によると、アブー・マーズィン[※アッバース大統領]はスレイマーン大統領、ビッリー国会議長、セニョーラ首相との個別会談で、「レバノン在住パレスチナ人はレバノンの法律の下にあり、ナフル・アル=バーリド難民キャンプのような事態の再発防止のためにレバノン国家とあらゆる協力をしてゆく用意がある」と繰り返し発言した。また、パレスチナ人が全てのアラブの国、とりわけレバノンにパレスチナ人を定住させることを拒否すると強調し、「パレスチナ自治政府はこの問題について、パレスチナ人が帰還権を固守するという前提の下にイスラエルと協議している」と述べた。

(後略)

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( 翻訳者:梶田知子 )
( 記事ID:14651 )