ダマスカスで4ヶ国首脳会談、アサド大統領がトリポリへの部隊増派要請
2008年09月05日付 Al-Nahar 紙

■ サルコジ大統領、ダマスカスでの4ヶ国首脳会談を終えて:「我々がここで何を話し合っているか、アメリカは知っている」
■ アサド大統領、レバノン国軍が「一部諸国に支援されている過激派」を迎え撃つようスレイマーン大統領に要請
■ アサド大統領、スレイマーン大統領が直接和平交渉への参加に合意していると言明

2008年09月05日付アル=ナハール紙(レバノン)HP1面

 シリアのバッシャール・アル=アサド大統領は、レバノンが今なお脆弱な状況に置かれているとの見解を示し、外国に支援された「過激派勢力」がトリポリ市内の不安定を煽っているとの懸念を表明した。フランスのサルコジ大統領、カタールのハマド・ブン・ハリーファ・アール・サーニー首長、トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン首相が参加してダマスカスで開かれた4ヶ国首脳会談においてアサド大統領は、ミシェル・スレイマーン大統領に対して北部への国軍部隊の増派を求め、「問題を解決するため今すぐ早急に部隊を派遣することが必要だ。過激派がいる限りレバノンが安定を保つことはできない」と述べた。

 またアサド大統領は、「レバノン国内で跋扈する過激派やサラフ主義勢力の問題が解決されなければ、これまでに実現した前向きな成果はすべて価値がなくなる」「これらの勢力を公式に支援する諸国が存在する」と述べた。

 アサド大統領はさらに、首脳会談での協議や、併せて付随的に行われた協議のなかで大きく取り上げられたレバノン問題に関して、抵抗運動を見捨てることはシリアの利益にならないと強調し、「何故なら、我々は一方的に贈り物を差し出すだけの国家ではないからだ」と述べた。アサド氏はヒズブッラー系「アル=マナール」TVの特別インタビューに対して、レバノンとパレスチナの抵抗運動に関してシリアが譲歩するよう米欧から要求がなされたことは一切ないと否定し、「そのような問題が提起されたことはない。その問題は多くの諸国にとってはもはや明らかだと思う。...我々は、抵抗運動を見捨てることは利益にならないと考えている。我々の立場は常に明確であり、政治的な見解を表明するときはいつでも、イラクであれレバノンであれパレスチナであれ、占領への抵抗運動に対する我々の立場は確固として不変である。シリアのこの政治的な見解はこれまで変わることはなかったし、占領という状況そのものが変わらないかぎり、今後も変わることはないだろう。...我々は贈り物を差し出すだけの国家ではない。我々は利害について話し合う国家である。他の国家には、その国家の利益を我々に対して提示するよう求め、どこに共通の利益があるかを見定めてゆく」と述べた。

■ 外交関係と国民対話

 アサド大統領は首脳会談の直後に行われた共同記者会見の冒頭、「レバノン問題は今日の話し合いの基本的な部分だった。レバノンでドーハ会議以降進められている前向きな措置に我々は満足している。カタール国は迅速な努力によってレバノンから戦争の影を遠ざけ、事態を正常な状態に戻すことができた。...レバノン側の実施が待たれる措置は今なお残っており、その筆頭が国民対話会議の開催である。この会議によって基本的な懸案事項の解決がなされるだろう。或いは、解決がなされる筈である。さらに前向きな措置の重要な一部分として挙げられるのが、ミシェル・スレイマーン大統領のシリア訪問と、シリア・レバノン二国間の外交関係開始の合意である。...現在、この件に関しては法的な措置が順次進められており、それらが完了した後には、両国の間で大使の交換が行われることになるだろう」と述べた。

 アサド氏は、スレイマーン大統領の選出とともに開始され現在も進行中の一連のプロセスにおいて、これを主宰するスレイマーン大統領を支持することで首脳会議の出席者たちが一致したことを指摘した。このプロセスは議会選挙が実施され、レバノン国民対話が終了し、参加者たちが諸々の決定事項を承認することによって完了する。

 サルコジ大統領は、アサド大統領がレバノンで行ったことについて「アサド氏はレバノンの安定回復に重要な役割を果たした」と述べ、シリアがレバノン大統領の選出に便宜を図るとともに外交関係の樹立という約束を守ったことを評価した。

(後略)

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( 翻訳者:森晋太郎 )
( 記事ID:14654 )