レバノン大統領がホワイトハウス訪問、軍事支援の拡大を要望
2008年09月27日付 Al-Nahar 紙

■ レバノン政府は多岐にわたる協議に没頭、選挙法案に対し特定の立場はとらず
■ ブッシュ米大統領がスレイマーン大統領に:「我々の使命は貴方がたの使命だ。強くて実行力のある国づくりだ」
■ ベイルート市内、3日間で肖像、党旗撤去

2008年09月27日付アル=ナハール紙(レバノン)HP1面

 レバノン国内では今後数日のうちに、特に国会での新選挙法案の可決や、ムスタクバル潮流とヒズブッラーの和解を完了するための処置をめぐって、様々の動きが予測されているが、ミシェル・スレイマーン大統領のワシントン訪問は、新体制に対するアメリカの立場を明らかにするものとして政治的・外交的関心を集めた。

 ジョージ・ブッシュ米大統領はスレイマーン大統領をホワイトハウスに迎えた際、大統領に選ばれた日にスレイマーン大統領が行った宣誓演説への賛辞を語り、明確な歓迎の意思を表した。このことはスレイマーン大統領が担う任務のフォローアップにブッシュ政権が関心を持っていることを反映している。

 イリヤース・アル=ハラーウィー元大統領以来初めてとなるレバノン大統領のホワイトハウス訪問にあたって、ブッシュ大統領はスレイマーン大統領に対し、「貴方が就任の宣誓を行ってから、私は貴方の演説を興味深く見守ってきました。貴方の演説に私は感動しました。貴方がたが和解を目指して行っている国民対話にも我々は多いに敬服しています」と語りかけた。さらに、「アメリカ合衆国は貴方がたの味方であることを誇らしく思っています。...我々の使命は、貴方がたの使命でもあります。それは、強くて実行力のある国、人々が平和に暮らすことができる国です」と述べた。

 一方、スレイマーン大統領は、「レバノンへの支援、特に軍事機構への支援や、合衆国内のレバノン人移民への支援に尽力した」ことについて、アメリカ大統領に感謝を述べた。また、レバノンは「民主主義と原則的自由と人権とを守り、偏狭やテロリズムに抵抗し立ち向かうことに象徴される、同じ人道的・文明的価値」をアメリカと共有していると強調した。しかしスレイマーン大統領は、「レバノンの領土を解放し、レバノンとパレスチナ人の利益のためにも[パレスチナ難民への]市民権付与を阻止する取り組みが必要である」ことも主張した。

 公式情報によれば、スレイマーン大統領がブッシュ大統領やロバート・ゲイツ米国防長官と行った協議では、レバノン国軍への支援の件が優先課題として取り上げられ、スレイマーン大統領は国軍および国内治安部隊に対するアメリカの軍事支援の増加を希望したという。ブッシュ大統領はこの件を引き続き検討することを約束した。

 またゲイツ長官は、下院で承認待ちの2009年予算の中から6千万ドルの新たな支援があると述べたという。この新たな支援は、武器 ・弾薬を装備したヘリコプターや、ハンヴィー型車両も含まれるとのことだ。

■ 閣僚会議

 一方、昨日閣僚会議の議長を務めたフアード・アル=セニョーラ首相は、国連でのスレイマーン大統領の演説を賞賛し、「大統領が歴訪から戻った後は、国民和解の基礎を固め、浸透させるため、諸勢力間の和解を完了させたい」と述べた。

(後略)

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( 翻訳者:森本詩子 )
( 記事ID:14789 )