ハリーリー氏とヒズブッラー書記長が2年半ぶりの会談
2008年10月28日付 Al-Nahar 紙

■ ハリーリー議員とナスルッラー・ヒズブッラー書記長:「対立はターイフ合意とドーハ合意の枠内。秘密会合は国内の安定保持のための前進の一歩」

2008年10月28日付アル=ナハール紙(レバノン)HP1面

 ムスタクバル・ブロック代表のサアド・アル=ハリーリー議員とヒズブッラーのハサン・ナスルッラー書記長が日曜日に行った会談の重要性は、両勢力の和解の達成という域を超え、政治的立場が異なり相反するものであっても、政治体制と国民統合のあり方をめぐる不変の前提について相互の合意がほぼ成立するに到った。

 2006年春の第1回対話会議以来初めての両指導者の会談は、久しく待たれ、取り沙汰されてきたものであるが、昨日昼に公表された両者の「共同声明」で会談の開催が明らかにされると、間もなく各方面から歓迎の意や安堵感が表明され、国内における一大事件となった。この会談によって、政治および治安面でのプラスの影響が期待されるからである。

 今回の会談において何よりも注目を引いたのは、前例のない秘密主義のベールの中で事が進行したことである。会談の開催場所は翌日まで公表されず、ハリーリー議員とナスルッラー書記長の側近のごく一部のみが会談について情報を得、あるいは出席したことが明らかになった。

 このような秘密主義が必要とされた要因としては、安全の確保という決定的な要素に加えて、長期間にわたる準備の後に会談を開催するための手続きの詳細に隠匿のベールが掛けられたのは、両指導者の会談が今回1回限りではないかも知れない証拠だとの見方もある。と言うのも、「共同声明」は「両者間の連絡の継続」についてはっきりと述べているからだ。

 両者が共同声明の中で会談について言える事を全て言ったことは明らかなようであった。と言うのも、共同声明の簡略な文言は、会談で提起された問題をめぐる合意についての大筋のみに限定され、両者の側近筋は、会談の中で話し合われた詳細について明らかにすることを避けているからだ。観測筋はこれについて、「ターイフ合意とドーハ合意を遵守するとの原則に基づいて政治対立に対処する最善の枠組みだ」と表現した。

 共同声明は今回の会談について、「これまでの状況が如何なる影響をもたらすか把握するために、率直かつ開放的な雰囲気の中で原則的な見直しをする機会であった」と述べ、合意が成立した諸問題を列挙した。それらは、「国民の団結と国内平和の確認」、「政治的対立はともかく、争乱を食い止めるための対話と連絡を強化すること」、「政府の活動の強化とターイフ合意の堅持、ドーハ合意の適用の必要性」にまとめられる。

 会談の経緯に詳しい情報筋は本紙に対し、「両者の共同声明は、双方の間で一節一節、一文一文ごとに議論され、最近メディアや政界を賑わせた多くの言説に対する間接的な応答を含むものであり、特にターイフ合意とドーハ合意を双方が遵守するということに重点が置かれている」と述べた。また、「会談は非常に率直で、詳細にわたるものだった。両指導者の協議は詳細にわたり、痛ましく危険な試みに満ちた過去の段階や、和解への道とともに始まった前向きの段階についても言及がなされた。また双方から、各々の政治的立場、同盟関係、政治的選択に基づいた分析、情報、見解が示され、5月の出来事[※与野党勢力の衝突事件]は国の利益になることではなかったとの前提に立って、同事件に関しての話し合いも行われた。またそこから、緊張の緩和と国内の安定、治安の維持に向けた方策について、深く突っ込んだ議論が行われた」と説明した。

(後略)

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( 翻訳者:平川大地 )
( 記事ID:15042 )