レバノン内相がシリア訪問、両国の治安協力に向け委員会設置で合意
2008年11月11日付 Al-Nahar 紙

■ スレイマーン・レバノン大統領、「文明と宗教間の対話会議」に対してレバノンを同会議の中心拠点とするよう要請
■ シリアとの治安協力に関しては「各行政機関での決定に帰する」
■ ハリーリー議員とジュンブラート議員、「[シリア]体制の嘘」に反論

2008年11月11日付アル=ナハール紙(レバノン)HP1面

 昨日のズィヤード・バールード・レバノン内相のダマスカスへの訪問は、レバノン・シリア間の治安協力における「これまでと異なる新しい」試みの基礎を築いたが、それは当然のことながら、政界とくに過去の経験から疑念を抱いている勢力の厳正な監視の的になることだろう。

 今回の訪問の直前にはシリア国営テレビがダマスカス爆破事件に関して、ムスタクバル潮流の関与をほのめかす「[犯行の]自白」について報じたことで混乱が生じており、また反対派勢力の一部の指導者や政治家らが直接的あるいは間接的にこの[ムスタクバル潮流に対する]嫌疑を認める立場を表明するなか、国内各派の対立が高まる事態に発展している。

 しかしながら、バールード内相がシリアのバッサーム・アブドゥルマジード内相および両国の治安機関代表団とともに行った会談に同席した情報筋は本紙に対して、「会談では、今年8月にミシェル・スレイマーン・レバノン大統領とバッシャール・アル=アサド・シリア大統領が行った首脳会談において発表された声明の履行、今回の訪問の前にベイルートで表明された懸念や反対姿勢に対する応答、両国間で結ばれた諸合意を再検討するとの合意の遵守といった点で、前向きな方向性が示された」と述べた。

 また同情報筋は、「レバノン代表団は、スレイマーン大統領の採っている手法に対してシリアが満足しているとの感触を得た」「会談は、シリア大統領との合意内容を前提として行われた」と指摘し、「会談後に出された共同声明は詳細かつ明瞭な文言をもって作成された。両国に必要な治安協力への取り組みが、一般論や不明瞭な手法を通して行われることへの警戒感が広がっているとの支配的な印象を解消するものであった」と明らかにした。そうした原則に照らして、声明には検討の対象にされた議題の要点が挙げられており、合意が成立した条項は、前段階の繰り返しではなく、新たな1頁を確立するものとなっている。

 情報筋はこれに関して、「両国の内務省間の協力と連絡を活性化させる方法を検討するフォローアップ・調整委員会の設立」で両国が合意したことを強調し、「この措置は従来の委員会を復活させるという意味ではなく、新しい状況への取り組みの必要性から出発するもの」と述べている。

 また、同委員会の任務については「(1)テロおよび犯罪対策の分野における協力・調整基盤の提案、(2)国境管理のための共通メカニズムの設置と、同メカニズムの実行に必要な措置の実施、(3)治安協力・調整のための相互理解文書を策定し、憲法上の所管部門に提出して承認を得ること」と指摘し、「それはつまり、閣僚会議での決定なくしてはいかなる措置も承認・実行されないということを明確に意味しており、声明には明確にその旨を述べた条項が盛り込まれている。これによって、関係する全ての勢力は、全ての措置について議論し、立場を決定する機会が得られることになる」と述べた。

 また同情報筋は、「レバノン側はダマスカス爆破事件に関する『被勾留者の自白』の取り扱いを『担当部署の情報交換』の域に限定することを強く主張し、声明にはこのことが明確に述べられている」と付け加えた。

 今回の訪問の成果に対する反応は直ちには発表されなかったが、3月14日勢力の事務局が訪問の成果のいくつかの側面に関する立場を、今日声明を通じて表明する可能性があるとの情報が伝えられている。特に、シリア内相が「会談では行方不明者の問題には言及されなかった。この件は過去に提起されており、現在検討が進められ、専門委員会によるフォローアップが行われているからだ」と述べたことに関しては、何らかの立場が表明されると見られる。

 こうしたなか、「ムスタクバル潮流」代表のサアド・アル=ハリーリー議員はシリア国営テレビが放映した内容に対する反論を初めて発表し、「[放映内容は]シリア体制の情報・政治機関による虚偽の主張や周知のキャンペーンの相も変らぬコピーだ」と表現した。ハリーリー氏は、「シリア体制はファタハ・アル=イスラームとの関係を否認するために多大な努力をしているが、同組織と結託した罪を免れることはない」と述べ、アラブ連盟に対して「この件に着手し、ファタハ・アル=イスラームに関する真相を究明するアラブ諸国委員会を設置する」よう呼びかけた。

(後略)

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( 翻訳者:平川大地 )
( 記事ID:15174 )