レバノン独立記念日を前にスレイマーン大統領が演説、半年間の成果を強調
2008年11月22日付 Al-Nahar 紙

■ スレイマーン大統領、独立記念日のメッセージで:「幸運にも我々の民主主義体制では質問を投げかけ裁定を下すことができる」
■ フィヨン仏首相、シリアとの関係正常化に伴い「レバノンの主権を明確に承認すること」を要請
■ 明日の閣議で携帯電話部門の再国営化を回避する解決策を討議

2008年11月22日付アル=ナハール紙(レバノン)HP1面

【本紙、中東通信社(MENA)】

 今日の65回目の独立記念日は、新たな装いをもって訪れる。33年前のレバノンの姿を思い起こさせる。当時この国には独自の国家機関があり、占領されることも保護国化されることもなく、自らの主権を行使していた。再びその状態が回復されたことを最も顕著に示しているのが、ミシェル・スレイマーン中将が新大統領に選出され、3首脳[※大統領、国会議長、首相]が揃ったことである。バアブダー宮殿[※大統領府]に入ってからまだ6ヶ月のスレイマーン大統領は、就任後初めての独立記念日前夜の演説で、現段階について「独立を守り、対話や協調を優先し、国家機関の活動を活性化させるための優先事項を見極め、見取り図を描く」段階であると言い表した。

 大統領の演説について本紙が多数派および反対派の関係者に意見を尋ねたところ、「和解や対話を志向する内容で、就任宣誓時の演説やバアブダー宮殿で国民対話プロセスを始めた際のスピーチ以来続くスレイマーン大統領のやり方を表しており、国家の統一を守る調停者であるべき国家元首の立場を表している」との点で一致した。

 スレイマーン大統領は、かつてイリヤース・アル=ハラーウィー元大統領がしたのと同様に、165人の大学生を選び、彼らを前にレバノン国民への演説を行った。その後、学生らと対話を行い、会合は30分間の予定を上回り45分間に及んだ。レベルの高い対話が行われ、大統領の権限、ヒズブッラーの武装問題、防衛戦略問題、若者の海外移住など様々なテーマに関して学生から質問が向けられ、スレイマーン大統領が答えていった。この対話イベントの内容は追って掲載の予定である。

■ 独立記念日の演説

 演説でスレイマーン大統領は、就任からの半年間に「国民の総意を体現する政府が樹立され、レバノン・シリア関係は確固たる明確な基礎の上に再構築され、完全な外交関係が確立され、様々な問題について作業と検証を行うにあたっての拠りどころとなる共同声明が発表された。(…)また、国民対話会議で合意した内容やドーハ合意で承認された内容を出発点とする各派の対話が開始された」と述べ、「政治やメディアにおける対立の鎮静化や各派の和解においては前進が見られ、早急に完了できると期待している。また、治安維持とイスラエルのスパイ網、テロ細胞を発見する点では具体的な成果が達成された」ことに注目を促した。

 また、「中東における公正かつ包括的な和平の樹立を常に追求する」と述べ、「[※パレスチナ難民への]国籍付与はいかなる形であっても」拒否すると表明した。「若者たちを始めとして国民は質問を投げかけ、裁定を下すことができる。我々は幸運にもこうした質問や裁定を行うことが許される民主主義体制のもとに暮らしている。さらには自分の安全や幸福な生活や将来について託しうると考える人物を国会に送り込むこともできる」とも述べ、「(…)今すぐ一緒に再建の作業を始めよう。権力よりも国家を重んじる段階へと早く移ろうではないか」と締めくくった。

 バアブダー宮殿を訪れていた人たちは大統領の演説への所感として、「具体的な約束は含まれていなかったが、仕事にとりかかることを誓約したものだった」との見解を示した。

 スレイマーン大統領は今日、ベイルート中心街で行われる軍事パレードで国家首脳らを先導し、その後バアブダー宮殿で独立記念日の祝辞を受ける予定である。

(後略)

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( 翻訳者:森本詩子 )
( 記事ID:15334 )