イスラエルはガザ攻撃を告知していた
2008年12月28日付 al-Quds al-Arabi 紙

■ リブニ、エジプト情報長官にガザ攻撃を通知
■ 西岸市民、アラブの沈黙とハマースを欺いた可能性のあるエジプトを非難

2008年12月28日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP1面

【ラーマッラー:ワリード・アワド(本紙)】

信頼できるアラブ外交筋から本紙が得た情報によれば、エジプト情報長官ウマル・スライマーンは、ハマースに無条件停戦を受諾させる圧力をかけるためイスラエルがガザに決定的攻撃を加えるとアラブ各国政府に通知していた。

同筋によれば、スライマーン情報長官はリブニ外相に対し、市民犠牲者の映像がアラブ街頭を扇動するのに使われる事のないよう、一般市民の犠牲は避けるべきだと強く主張した。

マフムード・アッザッハール博士に近いハマース筋が土曜述べたところによれば、金曜夜、エジプトはハマースに対し、新たな休戦に至るべく交渉を開始することにイスラエルが同意し、従ってエジプトがイスラエルとパレスチナ各派との休戦に尽力している間はガザ攻撃は行われないと保証していた。

上記筋は本紙に対し、ガザ攻撃はないとカイロが保証したため、ガザのパレスチナ内務省は、パレスチナ治安拠点からの(治安要員の)避難を指示しなかったと述べた。これまではイスラエルによる攻撃がほのめかされる度に、ハマース内務省は治安関係の建物を空にしてきたが、今回は、前夜(金曜夜)エジプトにより、土曜が休日である事もあり48時間以内のガザ攻撃は起こらないとの通告があったため動かなかった。

この情報筋は、エジプトがイスラエルと共謀しハマースを欺いたとみなしている。イスラエルのリブニ外相も、木曜(25日)のムバーラク大統領との会見の際ガザ攻撃の可能性を否定し、その旨エジプトのスライマーン情報長官がハマースに通知していた。しかし土曜、イスラエル空軍はガザの治安拠点を爆撃し150名以上の死者を出した。

イスラエルのガザ攻撃に対し西岸では非難の声が高まり、多くの町で、この攻撃にアラブが沈黙していることに抗議するデモが行われた。また病院へは、ガザの同胞のための献血申請者が多く訪れた。

アッバース・パレスチナ大統領は、この殺戮を非難しイスラエル攻撃を停止すべくアラブ諸国との連絡を開始した。大統領府報道官ナビール・アブールダイナによれば、アッバースは、この攻撃を即座に停止するようイスラエル政府に要請すると共に、国際社会の介入を呼びかけ各国と連絡中である。

またサラーム・ファイヤード首相は、ガザの事態に必要な措置を取りつつ、イスラエルに攻撃停止を求めている。ガザの医療機関と保健省では非常事態が宣言され、定年退職者も含めた医師らに救急医療にあたるよう指示が出された。

PLO執行委員会メンバー、ヤーセル・アブド・ラッボは、ラーマッラーの記者会見で、PLOをはじめとする各派に負傷者の救済活動を呼びかけ、「統一と覚醒の時」としてガザと西岸が一体となる事を訴えた。ファタハも、土曜のガザ空爆でイスラエルが犯した殺戮行為を非難し、人々の血を無駄に流さないよう即座に攻撃を停止し休戦状態へ戻るよう要請している。また人権問題NGOは、医師、看護士をはじめとする全ての医療分野従事者に最寄の診療所病院へ向かい負傷者の手当てに協力するよう呼びかけた。

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( 翻訳者:十倉桐子 )
( 記事ID:15428 )