ヒズブッラー書記長演説、ジュンブラート議員に応えて事態鎮静化を訴え
2009年02月17日付 Al-Nahar 紙

■ アミーン・アル=ジュマイエル氏とミシェル・アル=ムッル氏、北マトン地方の選挙協力で最終合意
■ EUが選挙監視団の派遣を提案
■ ナスルッラー書記長、鎮静化の呼びかけに返礼。[選挙勝利の場合]協力か反対派の単独統治かを提示
■ 国会議長と首相の対立高まる中、打開に向け木曜日に閣僚会議で予算協議

2009年2月17日アル=ナハール紙(レバノン)HP1面

 ヒズブッラーのイマード・ムグニーヤ軍事幹部暗殺1周年を記念する昨夜のハサン・ナスルッラー・ヒズブッラー書記長の演説は、2月14日の[ラフィーク・ハリーリー元首相暗殺]追悼集会の参加者に対する襲撃によってルトフィー・アッバース・ザイヌッディーン氏が死亡した際に「民主主義会合」代表ワリード・ジュンブラート議員が打ち出した治安鎮静化の方向性にとってさらなる強力な追い風となった。

 ナスルッラー書記長が演説で取り上げた他の問題の中には、イスラエルに対抗するため防空兵器を含む「いかなる武器も所有できる権利」への言及や議会選挙の問題など重要なものがあったが、事態鎮静化に関する発言は、「壇上での演説」の途上でジュンブラート議員と出会い、挨拶を返すという性質のものになった。ジュンブラート議員は正午にシャッバーニーヤでのザイヌッディーン氏の葬儀で演説を行い、3月8日勢力の幹部らがザイヌッディーン氏殺害を非難していることに触れつつ、あらためて事態鎮静化の必要を強調した。またヒズブッラーのムグニーヤ幹部暗殺記念追悼集会については、「彼らの追悼の日にあたって、我々はイスラエルに立ち向かった彼らの殉教者たちにも哀悼の意を表する」と述べた。

 ジュンブラート議員へのおそらくは直接の返答としてナスルッラー書記長は演説で、ザイヌッディーン家と進歩社会主義党に哀悼の意を表明し、「このような事件で殺された者は、我々全員にとっての損失である。...我々は彼らの殉教者たちに敬意を表すべきであり、彼らは我々の殉教者たちに敬意を表すべきなのだ」と述べた。

 ナスルッラー書記長の演説は、ルワイス地区の「第一の殉教者センター」に設置された巨大なスクリーンを通して行われた。入場者を制限されたホールと周辺の通りは群衆で一杯になった。議会選挙の問題に関してナスルッラー書記長は、2つの可能性に言及した。先ずは反対派勢力が2~3議席の差で過半数を占めて勝利する可能性であり、「我々は合意と協力を決定づけられた国にいる。相互の合意によって我々はゆっくり歩みつつ、国を守ることが出来る。しかし、専断や独占、詭計では、我々であれ彼らであれ、統治する国すら残らない」と述べた。また、「もし反対派勢力が選挙で成功を収めた場合、現多数派勢力に対して、先方が望むなら拒否権を行使できる3分の1の閣僚数を与えて挙国一致政府を樹立する案を提示するよう私は提案する」と述べつつ、「先方が入閣拒否に固執するならば、反対派勢力が組閣を行い、国政運営の責任を担い、レバノン統治の新しい形を提起するだろう。しかし、原則として合意と協力を求め、国民的な理性に基づく統治が行われるべきであり、復讐や報復や詭計の発想に基づく統治であってはならない」と語った。

 [抵抗運動の]武装問題についてはナスルッラー書記長は、「我々はいかなる武器をも保持する全面的な権利を持っている。対空防衛兵器もこれに含まれる。そして、我々は欲すればこの武器を使用する全面的な権利も持っている。...我々がこのような武器を持っているか否かは別問題である。我々がこの敵[※イスラエル]との闘いにおいて隠し事をするのは、強がりや駆け引きのためでなく、意表を衝くためである」と述べた。

(後略)

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( 翻訳者:平川大地 )
( 記事ID:15922 )