病気を治す力を秘めた土?:庶民の信仰心を悪用した詐欺師2名が逮捕
2009年03月02日付 Jam-e Jam 紙

【事件部】庶民の信仰を悪用し、「この土には病を治す力がある」などと称して、ある村の土を売っていた詐欺師二人が逮捕された。

 ジャーメ・ジャム紙の報道によると、ある人物が夢のなかでスィースターン・バルーチェスターン州ザーボル県のマリーク村の土には不治の病を治す力があるとのお告げを聞いたという噂が、以前からザーボル市で流布していた。

 このような噂が広まっていることを受け、ザーボルの治安関係者らは本件に関する捜査を開始、マリーク村に行ったところ、病人を治療すると称しては畑の土を売りさばいていた人物のもとを、多くの病人が訪れている様子を目撃した。

大規模な捜査

 これを受け、本件に関する大規模な捜査が開始された。その結果、詐欺行為で刑事罰を受けたことのある詐欺師二人が、喫茶店や公共の場所などさまざまな場所を訪れては、村の未耕作地の価値を高め、土を売りつける目的でこの噂を広めていたことが判明した。

 捜査員らはこの件に関する情報をさらに収集、平穏な生活が奪われたとする村人らの訴えを受けて、ザーボル県司法当局と協力して行動に着手し、詐欺師二人の逮捕に踏み切った。

自供

 容疑者二人は最初の取り調べのなかで罪をあっさり認め、利益を上げ、村の土地の価格をつり上げる目的で、自作自演の物語をでっち上げ、それを噂として流したことを自供した。供述によると、彼らはさらに人々を欺すために、数人を「サクラ」として雇い入れ、重い病気にかかっていた病人がマリーク村のある区画の土を使ったことで完璧に快復したかのように装わせていたという。

 司法令上の発出を受け、取り調べは今も続けられている。

 スィースターン・バルーチェスターン州のある関係筋は、ジャーメ・ジャム紙に「庶民の信仰を悪用することは、詐欺師の常套手段である。マリーク村での事件は、その典型だ」と証言する。

 この人物はさらに、次のように述べている。「捜査が示すように、一部の人は化学肥料によって汚染された土を口にしたために、腸に障害を負ってしまった。彼らは病気が治るどころか、逆に別の障害も抱え込んでしまったのだ」。

 「詐欺師の手口を知らないことが、犯罪者に付け入るスキを与えている。このこととの関連で、占いと称して人々やその家族をトラブルに巻き込む詐欺師どもの手口を指摘することができる」。

 この人物はこのように述べ、さらにメディアの側が警察の警告に注意を払わず、適切な情報伝達を怠っていることが、利己的な人間たちが噂ごとを利用して、社会の価値観や信仰を傷つける行為を働く原因となっていると指摘している。

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( 翻訳者:斉藤正道 )
( 記事ID:15971 )