レバノン国民対話会議第5回会合で各勢力が選挙中の治安維持を約束
2009年03月03日付 Al-Nahar 紙

■ クリントン米国務長官、セニョーラ首相に:「レバノンの独立と安全が交渉の対象とされることはない 」
■ レバノン大統領府での国民対話会議、国防戦略にとどまらず選挙の安全めぐる課題に言及
■ 安定の確保を約束する共同宣言...人事問題では合意成立せず

2009年03月03日付アル=ナハール紙(レバノン)HP1面

 バアブダ宮殿で昨日開催された国民対話会議の第5回会合に参加した各勢力の指導者は、ズィヤード・バールード内相の提案した、諸政治勢力が国内平和を誓約する共同宣言の内容について合意した。これはタイミングと状況の面で特に重要であった。選挙戦の開始を目前にして、「国内の平和」は国防戦略を含む全ての事柄を上回る最優先事項とされているようだ。

 この提案はミシェル・スレイマーン大統領が出席者らに示したものであり、バールード内相は提案にあたって施政方針声明の第14および15項、選挙法第68項、そしてドーハ合意の閉会宣言に依拠している。出席者らはこれらの条項の殆どを受け入れた。彼らが選挙の安全に対して政界および治安当局が責任を負っていることを自明の前提と考えているのは明らかであった。

 国民対話会議第5回会合の閉会声明には5点から成る特別の項目が含まれており、その中で会議参加者らは「最高レベルの国内の安定をもって6月7日の選挙を実施するに適した政治ならびに治安上の環境を確保するため当局および当該機関と協力すること、マスメディアを含めたあらゆる手段による暴力を一切行使しないこと、選挙戦における対立勢力への批判を礼節と議論のルールの範囲内に収めること、法の定めに違反する者への一切の保護を撤廃すること、憲法評議会の成立を急ぐこと、これらの条項を全ての党員および支持者に周知徹底すること」を約束している。

(中略)

■ シャルム・シェイフにて

 シャルム・シェイフ国際会議にあたってセニョーラ首相は、ファウズィー・サッルーフ外相やナスィーブ・ラッフード国務相ら閣僚代表団とともにアラブおよび米欧諸国の政府高官らと会談を行ったが、その数の多さは際立っていた。会談や会合の数は20に達し、そのうち主なものはホスニー・ムバーラク・エジプト大統領、潘基文・国連事務総長、そしてアメリカ合衆国、イギリス、フランス、イタリア各国の外相との会談であった。

 レバノン代表団の情報筋は本紙に対し、これらの会談の重要性は、「政府が完全な透明性と独立性をもって成功に導くべく努めている選挙を控えて、代表団がこの大規模な国際会議においてレバノンへ注目を寄せ、レバノンが物質的、外交的、政治的なアラブおよび国際社会からの支援を必要としていることを確認するチャンスをつかんだことである」と強調した。

 同情報筋は、「セニョーラ首相はヒラリー・クリントン米国務長官との会談の中で、レバノン議会選挙の重要性を強調し、政府が可能な限りの透明性をもってこの選挙を実行する決意を訴えるとともに、レバノンに関する国際法廷は正義を保証するものであるとの考えに立ち、レバノンは国連安保理決議第1701号をあくまで遵守する立場であることを強調した」と明らかにした。

 また同筋は、クリントン国務長官が「安全で独立したレバノンはアメリカが約束した事柄であり、レバノン問題が交渉の対象とされることはないということに、あなた方は安心していただきたい。小規模の交渉であれ大規模の交渉であれ、レバノンが俎上に 載せられることはない」と述べ、米国はレバノンの独立と安定を支持するとの立場を強調した。

 またサヌアでは昨日、イエメン政府高官が「セニョーラ首相は次の土曜日にイエメンを公式訪問し、イエメンのアリー・ハッジュール首相とともにイエメン・レバノン高等閣僚委員会の会合の議長を務める予定である」と明らかにした。

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( 翻訳者:平川大地 )
( 記事ID:15985 )