半生を刑務所で過ごしたシリア反体制活動家への弔辞
2009年03月23日付 al-Sabah al-Jadid 紙

■シリアの最古参政治囚

2009年03月23日付サバーフ・ジャディード紙(イラク)コラム

【寄稿:ヌーリー・ブリーモー】

数日前、半生を刑務所で過ごし、ゆえにシリア最古参の思想犯と呼ばれた元政治囚のファーリス・ムラード氏が、シリア反体制派としての一生を終えた 。60歳にとどかなかった故人ファーリスは、シリアの最も優れた反対勢力の男たちの自由を抑圧し続けてきた格子の中で、30年を過ごした。

私は1970年代のはじめ、共産主義の指導者の一人だった故アブドゥッラー・アル=アクラア(アブーノールーズ)が参加した会議に同席して、この闘士ファーリス・ムラードを初めて知った。アブドゥッラー・アル=アクラアはその後、シリア当局とムスリム同砲団の間で流血事件が起こった際に、地下室で一週間に及ぶ取調べの後を受けた後、粛清された。

ファーリスが逮捕された後、2004年に釈放を祝おうと彼の家を訪れるまで、われわれの関係は30年にわたって断絶された。その後、われわれは何度も会い、様々な機会に思い出を語り合った。その最後の機会となったのは、ダマスカスの国家最高治安裁判所前で行われた、クルド運動の収監者たちとの連帯を示し、殉教者シェイフ・マアシューク・アル=ハズナウィー師〔訳注:2005年5月に殺害された宗教指導者。シリア国内のクルドの人権問題を訴え大きな影響力を持っていたため、シリアの治安機関に拉致・殺害されたとされる〕の拉致を非難するために集まった座り込みに参加した時のことであった。

シリア当局によって適切な裁判も無しに、厳しい状況で長期間勾留された他の活動者と同様、シリア人収監者の長たるファーリスは、「椎骨炎」という慢性の病気を患い、脊椎が曲がり、これにより政治的活動も日常の活動も阻害されて、正常な生活を送ることが阻まれた。しかし闘士ファーリスは、病気を気にも留めず、挑戦の歩みを続け、彼の生存中だけでなく死後も彼に忠実だった友人たちが別れを言いに来た最期の時まで続いた難病と困難な状況にもかかわらず 、独裁に反対する自身の立場を捨てなかった。民主化と人権に関心のある国内および国際的組織からの呼びかけにも関わらず、シリア当局は彼を死に導いた難病の治療を受けるためにファーリスが国外に出ることを許さなかった。

困難な道のりを歩んだシリア反体制派の故人ファーリスに追悼の辞を捧げる。

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( 翻訳者:ホサム・ダルウィッシュ )
( 記事ID:16078 )