ドーハ・サミット開幕
2009年03月30日付 al-Quds al-Arabi 紙

■ サウジ・リビアの和解
■ アサド、バシール逮捕を断固拒むよう呼びかけ

2009年03月30日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP1面

【ドーハ:本紙】

ドーハ・サミット開会式でリビアのムアンマル・カッザーフィー大佐が、数年ぶりの対面を果たしたアブドッラー・サウジ国王に訪問を求めた。サミットを機にサウジ・リビアの和解を目指した主催国カタルの尽力が報われた形である。

一方アサド・シリア大統領は、バシール・スーダン大統領の逮捕状につき、根本からそれを拒否し、断固とした立場を取るようアラブ首脳らに呼びかけた。

アサドによれば、我々は逮捕状が政治利用されていることに合意している。従って、それを批判したり評価したりするのではなく根本から拒否すべきである。

シリア大統領は、この逮捕状発行をスーダン分割の一段階を告げるものとみなし、委任統治の経験を繰り返そうとする一群の国々が、スーダンを弱体化しその富を得ようとして分割を企てているとの見方を示した。

アサドは、現在スーダンに起きている事が前世紀の初めパレスチナに起きた事と同じであり、パレスチナについて未だにアラブがそのつけを払い続けていることを指摘しつつ、スーダン並びにアラブ諸国の細分化に抗するため、この段階でスーダンを支持すべきと呼びかけた。

また同大統領は、スーダンの犯罪について言われる事は根拠がないが、パレスチナ、レバノン、イラクで起きた虐殺の犯人が(国際刑事)裁判所へ引き出されたら、スーダンについても議論しよう、スーダンと違い後者の罪状には確たる証拠が存在すると述べた。


第21回アラブ・サミット定例会合は、月曜(30日)カタルの首都ドーハで、前回の議長国シリアのアサド大統領がカタルのシェイク・ハマド・ビン・ハリーファ・アール・サーニー首長に議長権限を譲り渡すことにより開幕した。

サミットでは、パレスチナ問題、アラブ・イスラエル闘争、占領パレスチナ、特にイスラエルによる封鎖、攻撃後のガザ情勢、アラブ諸国間の和解努力推進、バシール・スーダン大統領に関する国際刑事裁判所決定の拒否、ゴラン返還を求めるシリアへの支援等が協議される。

また、経済、文化、社会面でのアラブ諸国間の協力、中東における核廃絶プランに向けた共通の立場などが議題となる。その他、イラク、ソマリア、モーリタニア、コモロ連合情勢、アラビア語に関する問題、メディア通信手段の統合問題などが話し合われる。


アラブ外交筋によれば、首脳陣はサウジ案に基づくアラブ和解声明を出す予定であり、そこでは、アラブ諸国間の問題解決にあたっては対話と協議の形式に従い、煽動や攻撃的言辞、緊張をあおる言動を全面的に避け、逸脱や反目をなくすようつとめるとの文言が示される。

パレスチナ問題については、公正な包括的和平の実現と、首都をエルサレムとするパレスチナ独立国家創設に向けたアラブ共通の戦略の重要性が記される。


ガザのハマース政府は月曜、ドーハ・サミットに対し、パレスチナ和解実現への支持を求める代表団をEUとワシントンへ派遣してほしい旨訴えた。

月曜、UPI通信向けの声明で、ガザ政府外務省次官アフマド・ユースフは、合衆国とEUを訪問し、オバマ米政権にエジプト主導のパレスチナ和解努力の後押しを求め、この対話に水を差さないように要請するアラブ各国の代表団が、サミットにより発足することを希望すると述べた。同氏によれば、占領軍に破壊されたガザの再建を急ぎ、パレスチナの人々に対する不正な封鎖を解くという目標のため、そのような試みが求められている。

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( 翻訳者:十倉桐子 )
( 記事ID:16098 )