サウジアラビアの非礼を許すな:メッカ巡礼をめぐるイラン・サウジ対立(1)
2009年05月11日付 Jam-e Jam紙

【社会部】つい先日、記者はある市民と話をする機会を得た。彼は小巡礼(ウムラ)〔※1〕から帰ったばかりで、イラン人入国者に対するサウジ当局者の不適切な対応について不満をもらしていた。

 彼は「友の家」〔=メッカ〕を訪れることへのイラン人の情熱を語りつつ、イラン人巡礼者の存在によってサウジアラビアに多大な経済効果がもたらされているのに、サウジアラビアの王族たちに対するイラン当局者の対応はあまりに手ぬるいのではないかといって批判した。

 この市民は次のように強調していた。「サウジアラビアは〔毎年〕約100万人のイラン人の入国によって膨大な利益を得ているにもかかわらず、イラン人はこの国では〔シーア派イスラームにとって〕推奨行為〔※2〕とされている行為を行うことさえ許されない。例えば、イラン人巡礼者が礼拝時にゴヌート〔※3〕を行っているのを〔サウジ〕当局者に見つかったりすれば、まったくひどい目にあってしまう」。

 昨日も、サウジ当局者がイスラーム法に反してイラン人巡礼者から入国時に指紋採取を行い、これまでの非礼を繰り返したとの報道が流れた。しかしサウジアラビアが不適切かつ侮辱的な行為でイラン人入国者に苦痛を与えたのは、これが初めてではない。先日もこの国は、単身で小巡礼を行おうとしていた女性に対してビザの発行を拒否するという驚くべき行動を取り、小巡礼を熱望していた人々に多大な精神的苦痛をもたらしたばかりなのである。

抗議文書だけでは不十分

 問題は、我が国の巡礼参詣庁がこのような対応に対してこれまでどのような態度を取ってきたか、ということだ。巡礼参詣庁の広報室長は昨日、「本庁はイラン人女性巡礼者に関するサウジ職員の横暴に対し厳しく抗議しており、これに対して何らかの対応を取るつもりである。国内の関係諸機関は、既にこのような措置に関してサウジアラビア外務省及び内務省に文書を送っている。在サウジアラビア・イラン大使館も、このような状況に抗議している」と話した。

 アブドッラー・ナスィーリー広報室長はまた、ジェッダ空港でサウジの男性職員がイラン人女性巡礼者に対して指紋採取を行うなど、無礼千万な行動がエスカレートしているとの報道が一部で流れたことについて、「これらの報道については目下事実調査中であり、関係者が懸命にこの件の追跡調査を行っているところだ」と話した。

〔中略〕

 昨日、一部情報筋は「ジェッダ空港の男性職員は無礼千万にも、小巡礼を行うために単身で入国しようとしたイラン人女性巡礼者に指紋採取を行った。サウジの職員によるこのような尊厳を踏みにじる行為に、イラン人巡礼者やその家族は怒りを募らせている」と報じていた。

 今年の小巡礼では、80万人以上のイラン人がサウジアラビアを訪れ、12日間にわたって偉大なるメッカ及び輝かしきメディナに滞在する予定である。

〔中略〕
つづく



※1ハッジ(大巡礼)期間以外の時期に任意で行われるメッカ巡礼。

※2イスラーム法により、行うことが求められるが実行しなくても罪にならないと定められている行為。

※3礼拝での二回目のラクア(直立→おじぎ→跪拝がワンセットとなった礼拝の単位のこと)の際、両手を顔の前に挙げて祈り(ドゥアー)を述べる動作のこと。これはシーア派に特有の動作で、厳格主義的なスンナ・ワッハーブ派にとっては異端的な行為とされる。

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(翻訳者:佐藤成実)
(記事ID:16465)