コラム:ゴールドストーン報告書とイスラエルに対するトルコの姿勢
2009年10月19日付 al-Hayat紙

■ イスラエルに続く打撃

2009年10月19日付アル・ハヤート紙(イギリス)HPコラム面

【ジハード・アル=ハージン】


ほんの二日前、この欄で、イスラエルの新聞を読んでいると、そこに含まれる人種主義、憎悪、アッラーとその信仰に対する虚偽の情報のために神経症や血栓を患いそうだと書いた。しかしながら本日は、そのイスラエル紙を二日続けて読むことにより、免疫ができたことをお知らせする。ことわざに言うように、治療に大金をかけるより、少額で免疫をつける方がよい。

私は、依然としてゴールドストーン報告書の件で眠れぬ夜を過ごしている私のようなアラブ市民にとって喜ばしい幾つかの記事をイスラエル紙の中に見出した。それを1948年アラブを含む数人の専門家に照会した。単に、彼らを非難する報告書が発出されたというだけで、私の神経症や血栓がイスラエルの人々に伝染したというのが、私には理解しがたかったからである。ある専門家はこのように言った。ホロコースト後の数十年、ユダヤ人は犠牲者の役割を演じ世界から賠償を受けてきた。そして今、世界的に名声あるユダヤ人の判事による報告書が彼らを犠牲者からひと殺しへと変えたのである。土地を奪われテロの嫌疑をかけられたパレスチナ人が、世界の目からは自己防衛を行った犠牲者と見える。

報告書によれば、イスラエルの政治家、軍人の指導層の幾人かは、たとえ13年間逃亡しようとも、カラディッチの跡を追いハーグの国際法廷に立たされるだろう。私の推測では彼らは国外への旅行を控えている。私をほっとさせたのは、ゴールドストーン報告書のみではない。イスラエルがその衝撃からさめやらぬうちに、シリアとトルコが大規模な合同軍事演習を行うための戦略的同盟関係に入った。トルコが、イスラエルとの軍事演習を拒否した一日後である。

エルドアン政権が誕生した時私は、これは、アラブ的視点ではここ数十年で最良のトルコ政府だと書いた。アラブ諸国には、肯定的にこれと付き合い、内外で勢力を強める手助けをすべきと進言した。

私の考えは裏切られず、アラブとの関係は良好に発展した。そして、我々はトルコ外相が次のように述べてくれるのを聞くまでになった。
「イスラエルとの協力関係解消は、罰則のつもりではない。しかし我々は、ガザ、東エルサレム、アクサー・モスクの件で過敏になっている。これらの機微な課題を考慮に入れれば、和平プロセス再開もあり得るだろう」

この言葉は、全アラブ外相が言うべきものである。もちろん幾人かが口にしたのを私は忘れていない。しかし、他の外相は、金勘定のためだか自分の頭のハエを追うためだかしらないが、お隠れになった。

ゴールドストーン報告書はイスラエルの右ほおを打ち、トルコとの軍事演習解消は左のほおを打った。ならば、トルコとシリアの合同演習はうなじを打ったとでもいおうか。

そして、イスラエルが数々のショックからさめやらぬうちに、ふたたびトルコがやって来て国営放送のテレビドラマをもって後ろから蹴飛ばしたのである。

放映第一回では、イスラエル兵が女性や子供を標的にする罪深い殺人者として現れた。イスラエル兵が年老いたパレスチナ人を足蹴にし、石を投げた少年に銃弾を浴びせるシーン、市民を銃撃するイスラエル兵とパレスチナ人の戦闘シーン、親戚の遺体を運ぶ女性がイスラエル兵に「私たちをどうしようっていうの!?」と叫ぶシーン、少女を袋小路に追い立て、振り向いてほほ笑む彼女に銃弾で返礼するイスラエル兵のシーン、また、検問所で陣痛に襲われた女性を助けて出産させた夫が、新生児を両手に抱きあげたとたん火を放って焼き殺すイスラエル兵のシーン等々がある。

このドラマに対するイスラエルの反応は、あたかも彼らがゴールドストーン報告書を読んでいないかのようなものだった。その報告書には、上述のシーンにそっくりな犯罪が記録されているのだが。

イスラエルのコメンテーターはことごとく、そのようなドラマは憎悪を煽るものだと述べ、イスラエル政府の罪こそが、国連報告書もテレビドラマも不要なほど、憎悪を煽ったということを忘れ果てている。

その存在だけで十分挑発的なイスラエル外相は、トルコとシリアとの合同演習のニュースを聞いた後、トルコの外交代表を召喚し、トルコは「悪の枢軸」に近づく選択をした、と叱りつけた。

しかし、悪は彼自身であり、今日のイスラエルは、国連報告書が理由であれドラマのせいであれ、世界で最も憎まれる国になった。
この状態はしばらく続くだろう。かつての犠牲者が今や新たなナチと化した。トルコのドラマは近くアラブでも放映されるだろう。

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(翻訳者:十倉桐子)
(記事ID:17692)