神秘主義道場で人質立てこもり事件が発生
2009年12月12日付 Jam-e Jam 紙


【事件部】手榴弾や爆発物などを体に巻き付けるなどして武装した男が、テヘラン・モウラヴィー地区にある神秘主義道場に押し入り、道場にいた人々400名を人質にとって、そのうち2名に怪我を負わせる事件が発生した。人質立てこもり事件発生から3時間後、犯人の男は刑事検察庁の判事やテヘラン治安維持軍長官が率いる治安部隊の懸命の努力によって、投降した。

 ファフロッディーン・ジャアファルザーデ次席検事(テヘラン刑事検察庁長官代行)はこの事件について、ジャーメ・ジャム紙に次のように明かした。「先週木曜日〔12月10日〕18時30分、テヘラン・モウラヴィー通りの住民から、ダイナマイトや手榴弾、TNT火薬などを体に巻き付けて武装した男が神秘主義道場に押し入り、道場にいた人々を人質に取って、発砲・爆破を行っている、との通報が警察110番緊急センターにあった」。

 住民からの通報を受け、テヘラン第112アブーサイード署の警察官らはテヘラン刑事検察庁の担当判事シャームルー予審判事とともに事件現場に急行し、その数分後、続いてテヘラン治安維持軍長官のラジャブザーデ司令官がテヘラン警察捜査チームを引き連れて現場に到着、人質の救出ならびに犯人逮捕へ向けた努力を開始した。

 テヘラン治安維持軍長官は武装した犯人との話し合いに臨み、人質の解放を求めた。しかし犯人の男は警察の警告を無視して、人質に向けて発砲、さらに手榴弾を爆破させるなどの行動に出た。

人質は400人

 ジャアファルザーデ判事は次のように続ける。「道場には約400名の人質がいることから、警察官らは人質の命を守るために事件現場を包囲、人質の解放へ向けて犯人の男と交渉を行った」。

 警察官らは包囲網を狭め、道場二階へ通じる道を確保、屋上に通じるはしごを利用して人質らを外に救出することに成功した。

 警察が人質らを救出している間、武装した男は警察に現場を去るよう要求、さもなくば人質全員を殺すと脅迫した。

 警察による作戦を指揮していたラジャブザーデ司令官は、武装した男と会話を始め、人質に危害を加えることなく、投降するよう犯人を説得した。

 犯人との交渉が続く一方、捜査チームは大半の人質を現場から外に救出することに成功した。しかしまさにそのとき、武装した男は人質らが外に逃げ出したことに気づき、〔現場に残っていた〕3名の人質を拘束して、警察官らに道場から去るよう要求、さもなくば3名の人質と道場もろとも自爆すると叫んだ。

人質犯、3時間後に投降

 テヘラン刑事検察庁のジャアファルザーデ長官代行は、次のように述べる。「テヘラン治安維持軍長官は犯人と交渉を行い、ついに人質事件発生から3時間後、8個のダイナマイト、手榴弾、その他爆発物を衣服にぶら下げ、さらに2個の手榴弾を手に持っていた武装犯は、警察に投降した」。

 警察官らは厳重な警備のもと、武装した男を署に連行した。捜査官らが道場の中に入ったところ、足に銃弾を受けた男性2名を発見、また犯人が所持していたコルト拳銃ならびにカラシニコフ銃をそれぞれ1丁、押収した。負傷した2名の男性は病院に搬送された。そして、人質犯に対する取り調べが始まった。

人質犯の供述

 武装犯は警察に対し、次のように供述しているという。
25年前、ある神秘主義教団に入信し、数年前からこの道場に通うようになった。この道場には倫理的に腐敗した修行者が数名おり、多くの女性たちが堕落の網に絡め取られていた。

彼らは道場を訪れた人々に向精神薬や麻薬(覚醒剤)を与え、麻薬中毒にさせていた。また道場に入門した若い女性たちに、密通を強いていた。

私の妻や娘も、彼らの餌食となっていた。このことに気がついた私は、道場の修行者たちに復讐することを決意した。事件のあった夜、道場でパーティーが行われることを知り、事前の計画に従い、ダイナマイトや手榴弾、TNT火薬などを用意、道場にいる暴行魔の修行者たちの殺害を決断した。

事件のあった日の夕刻、コルト拳銃やカラシニコフ銃を持ち、TNT火薬やダイナマイト、手榴弾などを縫いつけた服を着て、道場に入った。最初に天井に向けて発砲し、数名の修行者たちが私の家族に対して行った悪事を告発した。誰も私の主張に耳を傾けようとしなかったので、私は道場に来ていた人々全員を人質に取り、道場の外に出ることを禁じた。

人質のうち二名が、発砲をやめさせようと、私に襲いかかってきた。手榴弾を二つ爆破させ、これら二名に発砲して怪我を負わせた。そして人質らを一カ所に集めた。警察が事件現場を包囲していることに気づき、銃を数回乱射した。そしてついに3時間後、万策尽き果てた私は、投降することにした。
 
〔後略〕

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( 翻訳者:斉藤正道 )
( 記事ID:18074 )