イスラエル、死亡したパレスチナ人の臓器を盗用か
2009年12月23日付 al-Quds al-Arabi 紙

■ 占領地の刑務所で死亡したパレスチナ人囚の角膜と腎臓が盗まれていたことが判明
■ パレスチナ人殉教者の遺体から臓器を盗んだ件についてイスラエルを非難するよう、アラブ諸国とパレスチナが国連と安保理に働きかけ

2009年12月23日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP1面

【ラーマッラー:本紙ワリード・アワド】

ラーマッラーのパレスチナ自治政府のイーサー・カラーキウ収監者問題担当相は火曜日、パレスチナ人殉教者の遺体から臓器を盗んだとしてイスラエルを非難するよう、パレスチナがアラブ諸国と共に国連と安保理に働きかけていることを明らかにした。

カラーキウ大臣は、イスラエル占領軍の銃撃や爆撃によって殺害されたパレスチナ人殉教者たちの遺体から臓器を占領当局が盗んでいる件について、省として国連に働きかけていると強調した。この声明が出されたのと同じ火曜日にはある人権団体が、占領当局が数ヶ月前にイスラエル刑務所で死亡したパレスチナ人囚の角膜と腎臓を盗用していたと暴露した。

収監されていたファドル・アウダ・シャーヒーン氏はガザ地区の住民で、2004年12月1日、ハーン・ユーニス地区のアブー・フーリー検問所で逮捕された。彼は抵抗運動に武器を提供したとして起訴され、7年半の禁固刑が確定したが、2009年2月29日月曜に死亡した。糖尿病と高血圧、両脚の動脈血栓を患っていたが、ラムラの病院では治療を受けられなかった。

イスラエルの収監者および釈放者のための協会「フサーム」は、アブー・カビール法医学研究所で検死が行われた際、シャーヒーン氏(47歳)の臓器が盗まれたとしてイスラエルを非難している。

同協会は声明で、遺族が同氏の遺体を清めた際に、両目から出血していることに気づいたと述べ、「殉教者の遺体を清めている間、彼の両目からは止めどなく血が流れ出て、その体は首から下腹部まで切り開かれていた」とのタウフィーク・アラヤーン・アル=ジッディ氏の発言を引用した。

協会の広報担当者であるムワッファク・ハミード氏は、ファドル・シャーヒーン氏の角膜や腎臓その他が盗まれた責任はイスラエルにあると述べ、「この事例が初めてではない。刑務所内で殉教した全ての収監者が、臓器を盗まれてきた」と明かした。そしてハミード氏はアフマド・アル=ティービー議員や国際組織、人権組織、赤十字などに対し、イスラエルに圧力を与えて収監者や殉教者の臓器を盗んでイスラエル兵士に与えるのを止めさせるよう要請し、犯人を国際法廷に送致することと、人権に関する国際法や国際条約、とりわけ第4ジュネーブ条約を遵守することを求めた。

Tweet
シェア


原文をPDFファイルで見る
原文をMHTファイルで見る

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:梶田知子 )
( 記事ID:18139 )