ロシア・アトム社社長「今年中にブーシェフル原発を稼動させる」
2010年01月30日付 Mardomsalari 紙

ロシア・アトム社社長は、「今年中(西暦)にブーシェフル原子力発電所の原子炉を稼動させる」と発表した。

 ISNAの報道によると、原子力企業ロシア・アトム社のセルゲイ・キリエンコ社長は木曜日、モスクワでの閣議後の記者会見で、「2010年がブーシェフル原発(の稼動)の年だ」と述べた。

 ロイター通信によると、同氏は以下のように続けた。「この原発が今年中に完成することに疑問の余地はない。全てが計画に沿って進められている」。

 キリエンコ氏はしかし、同原発稼動の正確な日時に関する質問には、言明を避けた。この計画に近い2名の関係者が昨年ロイター通信とのインタビューの中で語ったことによると、ロシアは2010年3月にも同原発を稼動させる意向であるとのことであった。

 ロシア政府は15年前に1000メガワットのブーシェフル原発の建設に合意したが、10億ドル規模の同計画には度重なる遅れが生じていた。外交関係者らの間では、ロシア政府はこの計画をイラン政府との関係におけるテコとして利用している、との指摘もなされている。

 この原発は、長年ロシアと西欧諸国との間の対立のもととなってきた。西欧諸国は、平和的な核利用を建前に、核兵器を製造しようとしているとして、イランを非難し続けてきた。しかし近年になって、米国はこれまでの反対姿勢を取り下げている。

 ロシア政府は、この原発はまったく非軍事的なものであり、IAEAの監視下に置かれている以上、軍備のために利用することは不可能だと強調している。

 イランは全ての使用済み核燃料棒を、ロシアに返却することを義務づけられている。なお、ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相はイランへの制裁発動には慎重であるべきだと、5プラス1諸国〔=国連安保理常任理事国+ドイツ〕に警告を発している。

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( 翻訳者:水谷陣也 )
( 記事ID:18403 )