女子大学生、インターネットで知り合った男に誘拐される
2010年02月14日付 Jam-e Jam 紙

【事件部】インターネットで知り合った22歳の娘を略取し、彼女の両親から金品を脅し取ろうとした若い男が逮捕された。

 ジャーメ・ジャム紙の報告によると、数日前、ある男性がテヘラン刑事検察庁予審第2課を訪れ、次のように訴えた。「地方の大学に通う22歳の娘と、数日前から連絡が取れない状態になりました。そんな折、男から私どものところに、『娘は預かった。返して欲しければ、1千万トマーン〔約100万円〕用意しろ』との連絡がありました」。

 被害男性はソレイマーニー予審検事に、次のように続けた。「最初は冗談かと思いました。しかし『犯人の要求するお金を払って』と懇願する娘の鳴き声を聞いて、〔娘が誘拐されたのは〕本当のことだと分かったのです」。

捜査開始

 訴えを受け、捜査が始まった。警察による初動捜査の結果、大学生の娘は最終試験を終え、大学を出てテヘランに行こうとしたところ、行方不明となったことが分かった。

 捜査が続く中、男は再度娘の父親に連絡を寄こし、事件のことを警察にいえば、娘は殺すと脅迫、娘の身代金として2千万トマーンを要求した。

 男の要求を受け、〔‥‥〕身代金の受け渡し場所が決まった。金を受け取りに、約束の場所にやってきた人物を拘束したところ、その人物は荷物を受け取りに来たバイク便の業者であることが判明した。

 捜査官らはバイク便の若者の協力のもと、誘拐犯の隠れ家がテヘランの南西部にあることを突き止め、司法の許可を得て現場に突入、男を逮捕した。現場を捜索したところ、ある部屋で手足を縛られた状態にあった娘を確保、救出した。

インターネットの関係

 刑事検察庁予審第2課のゴラームレザー・ソレイマーニー予審検事は、ジャーメ・ジャム紙に次のように語った。「この男はしばらく前から、インターネット上で自らを工学の専門家であると名乗っていた。その上で、大学生の娘に求婚をし、彼女と会う約束をして、そこにおびき寄せ、略取した。旅行中の親戚の家に彼女を連れ込み、両親に2千万トマーンの身代金を要求、彼女に暴力をふるった」。

 同氏はさらに、「捜査によって、容疑者の男は強度の麻薬中毒(覚醒剤)にかかっていることが分かった。工学の専門家を名乗っていたが、実際は高校を中退していた」と指摘、さらに「容疑者の男の両親は、麻薬中毒を理由に男を勘当していた。男は自分の姉妹の留守中に合い鍵を作り、大学生の娘を略取して、彼女をそこに監禁し、ついに逮捕された」と述べた。

誘拐された娘とのインタビュー

Q:どのようにして男と知り合ったの?
A:3ヶ月前、偶然チャットルームで彼と知り合いました。彼は自分のことを、工学の専門家で、両親はカナダに住んでいる、お金の面でも、社会的地位の面でも、恵まれていると言っていました。

Q:そして彼を信じちゃったんだ?
A:残念ながら、そうです。彼の話し方から、私が悪党に絡み取られるとは想像もできませんでした。私に求婚してきたとき、ついに幸運をつかみ取ったと感じてしまいました。でも、間違いでした。

Q:何日間、容疑者の男に誘拐されていたの?
A:約4日間です。

Q:〔ネット上での〕交際を続けていた3ヶ月間、彼と実際に会ったの?
A:いいえ、彼は数枚、私に写真をメールで送ってきただけです。

Q:その間、この男が詐欺師かもしれないとは思わなかったの?
A:残念なことに、そう考えたことはありませんでした。実のところ、私も最初は、彼の言っていることが冗談だと思っていました。でも時が経つにつれ、すべてが真実味を帯びてきたのです。そして私はワナにかかってしまいました。

Q:何日間、男に囚われていたの?
A:約4日間です。

Q:その間、君が監禁されていた家に、誰か来なかったの?
A:いいえ、誰も。

Q:どうして信じて、家の中に入っちゃったの?家の中のことは、何も知らなかったんでしょ?
A:彼はとても話がうまくて、それで騙されてしまったのです。家のなかに入ると、彼は豹変しました。私は、悪魔のワナにかかってしまったことを悟りました。懇願しました。でも彼は、私に襲いかかってきました。私を強く殴り、それから私の声を録音して、私の解放のためにお金を払ってと父に言うよう、私に求めてきました。

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( 翻訳者:斎藤正道 )
( 記事ID:18480 )