ロシアもIAEA支持へ:米独仏と同一歩調
2010年02月21日付 Mardomsalari 紙

【政治部】イラン・イスラーム共和国の平和的核開発に対する国際原子力機関(IAEA)の敵対的報告書に、米仏独が支持を表明したのと時を同じくして、ロシアも西寄りの立場を選択した。これにより、同国はまたしても、敏感な状況下においてはイランから距離をとる姿勢を示した形だ。

 このことに関し、セルゲイ・ラヴロフ氏はイランがIAEAに協力姿勢をとっていないとされる問題に対して、懸念を示した。

 AP通信の報道としてISNAが伝えたところによると、ロシア外相は「イランが自らの核計画が平和目的であることを証明する努力を怠った」とされる問題について、大きな懸念を抱いていると述べた。

 一方でその少し後、ロシア外務次官は、ロシアとしてはイランに対して厳しい制裁を発動することには反対であると発表した。

 ラヴロフ外相は、ラジオ放送「エコー・モスクワ」に対して、「我々は非常に懸念している。イランが(IAEAとの)協力に反抗的立場を示していることを受け入れるわけにはいかない」と述べた。さらにラヴロフ氏は、イランが自らの核計画を秘密裏に行わなければならない必然性はないはずだとも述べた。

 他方、ロシア外相の発言としてノーヴォスチ通信が伝えたところによると、同外相はイランとの関係において、ロシアとアメリカは同じ立場を共有しているわけではないとの姿勢を示した。

 この報道によると、ロシア外相は金曜日にラジオ放送「エコー・モスクワ」とのインタビューにおいて、「我々同様、アメリカも核不拡散体制が侵される事態を容赦するつもりはない。これは我々共通の立場であるが、しかしその達成方法という観点からは、我々が完全に一致しているわけではない」と述べた。

 さらに「アメリカとは異なり、我々にとってイランは近隣国なのだ」と付け加えた。

 金曜日、ロシア外務省のアンドレ・ネステレンコ報道官は、国連安保理は今のところイランへの制裁決議を準備しているわけではないと述べた。

 同氏は、「現在ニューヨークでは、対イラン国連安保理制裁決議の準備は行われていない。しかし、現在の状況ではこのような作業が開始される可能性がないとは言い切れない」と続けた。

 一方でフランスは、イランの核開発に対して「確固たる意思」をもって対処するよう、世界各国に向けて呼びかけた。

 AFP通信の報道によると、フランス外務省のベルナール・ヴァレロ報道官は金曜日、報道陣を前にイラン核計画に関するIAEAの報告書について言及し、「この報告書は国連安保理がイランの核計画について抱いている深刻な懸念を支持するものだ」と主張した。

 テレビ局ブルームバークが伝えたところでは、ヴァレロ報道官は、IAEAの報告書は「イランの不協力に対して確固たる対応を示すことがどの程度必要なのかを示すものだ」と述べたという。

 仏外務省報道官は、我が国の平和的な核計画に対して敵対的プロパガンダを続ける中で、さらに「ここ数ヶ月間、イランは話し合いの提案や協力要請をことごとく拒んできた。この報告書の内容に鑑みるならば、今やわれわれはパートナー各国と協力して、ここ数週間のうちに新たな措置を国連安保理で採択する以外にないだろう」と述べた。

 ドイツのウルリッヒ・ヴィルヘルム政府報道官も、IAEAの報告書はイランの核計画についてドイツが抱いている「深い懸念」を支持するものだと主張した。独政府報道官はベルリンで報道陣を前に、「イランの危険な核政策によって、国際社会はより包括的な制裁を追求せざるを得なくなった。ドイツはこの動きを全面的に支持する」と述べた。

 同氏はさらに発言の別の箇所で、「イランの核計画は軍事目的」との西側の非難を繰り返した上で、イランはIAEAとの完全なる協力を拒み、「自らの核計画の軍事的側面についての喫緊の疑問に回答せずにいる」と述べた。

 アメリカ当局もイランについてのIAEAの報告書に懸念を表明し、イラン政府に対して自らの核計画についての疑問に回答するよう求めた。

 ホワイトハウスのロバート・ギブズ報道官は木曜日、IAEAの最新の報告書は「イランが自らの国際的義務を履行していないことを示すものだ」と述べた。

 ギブズ報道官は、報道陣に対して「(米国)大統領は何度も〔国際社会との〕協調と国際的義務履行がもたらす利益について発言してきた。イランがこの国際的義務に従わないのであれば、〔悪しき〕結果に直面することになると、我々は常々忠告してきた」と語った。

 フィリップ・クローリー米国務省報道官もまた報道陣を前に、IAEAの最新の報告書ではイランの核開発について懸念が指摘されており、自らの核計画に関する疑問に回答するよう、イランに要請がなされていると述べた。

〈中略〉

 米国務省報道官は続けて、「イランが現在の路線をとり続けるのであれば、〔イランと国際社会の間の〕建設的な関係はあり得ない。アメリカや国際社会が抱いていている疑問に答えなければ、更なる制裁の圧力に直面することになる」と述べた。

 クローリー報道官は発言の別の箇所で、IAEAの報告書は「協力の提案を続けるだけでなく、追加の圧力を加えていくべき時期がすでに来ていることを示している」と述べた。

 同報道官はまた、イランに関するIAEAの報告書は「ゴムにある彼らの秘密施設は、非軍事目的の計画としては、いかなる合理性もないことを示している」と述べた。

 IAEAは12月に新事務局長として天野之弥氏が就任して以降はじめとなる最新の報告書の中で、イラン核計画をめぐり、同国には軍事目的を有した未申告の核開発活動が存在する可能性があることについて、懸念を抱いているとする指摘を行った。

 しかしこのような報告書の一方で、濃縮度20%のウラン濃縮作業は〔革命記念日前夜祭にあたる〕「ファジル10日間」に合わせてIAEAの監視の下で始まったものであり、これまでのところイランの核開発について何ら不審な点はない。

 木曜日、IAEAの報告書が非公式に同理事国に配布された。この報告書は天野之弥氏を事務局長に迎えて、エスファンド月10日(西暦3月1日)に開催される年明け初めての理事会で議題にのぼる予定だ。

〈後略〉

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( 翻訳者:尾曲李香 )
( 記事ID:18597 )