ドウラトアーバーディー検事長、窃盗と殺人の統計整備の必要性を指摘
2010年03月08日付 Iran 紙

【事件部】テヘラン検事長は、刑事検察庁の新長官に対し、窃盗や殺人といった犯罪の予防に関して〔適切な政策の〕決定・実行ができるよう、これらの犯罪に関する統計を整備し、統計の更新に努めるよう求めた。

 イラン紙記者の報告によると、アッバース・ジャアファリー=ドウラトアーバーディー氏は昨朝、テヘラン刑事検察庁長官の離任・着任式で、〔理念として〕統計主義〔を掲げること〕と〔実際に〕犯罪統計〔を編纂すること〕とは別であると強調し、次のように述べた。「イランでも犯罪統計は存在するが、警察は〔被害者からの〕被害の訴えや、〔警察などへ訴えを提出するための〕国民の出向〔件数〕といった表面的な統計に依拠しており、司法機関もまた、判決についての法的統計にのみ頼っている。どちらの統計も構造的な問題を抱えている。というのも、犯罪統計の編纂という任務を負っている機関が、我が国にはいまだ存在しないからだ。世界中で、闇社会に関する統計が存在しているにもかかわらず、である」。

 同氏はさらに、「統計をめぐって存在するもう一つの問題は、統計がきちんと文書化されていないことである。そのため、警察や司法機関は混乱した状態に置かれており、誤った統計が勝手に発表されるのを目にすることもある」と加えた。

 同氏は続けて述べた。「私は数年間、司法機関に奉職しているが、イランでの犯罪率が何パーセントなのか知らない。なぜなら、このことについて調査する機関が〔イランには〕存在しないからである。これまで看過されてきた統計部門の再生が必要である。この分野での警察や司法機関の協力もまた、改革していかなければならない」。

 ジャアファリー・ドウラト=アーバーディー氏は、「残念ながら、窃盗や殺人についての正確な統計はまったく存在しないが、窃盗は88年〔西暦2009年〕に増加していることがわかっており、来年以降窃盗〔件数〕が減少傾向に向かうことを期待している」と述べた。

〔中略〕

 テヘラン検事長は、殺人や窃盗、強姦、及び武装強盗といった犯罪が社会的安全に対してもつ重要性について検討を行った上で、次のように述べた。「安全には主観的次元と客観的次元の2つの次元があり、〔国民が社会の安全に〕不安を感じることは警察や司法機関などへの不信につながる。悲惨な殺人や下劣な強姦も、主観的・客観的な次元での不安惹起に大きな影響を与えるのだ」。

〔後略〕

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( 翻訳者:高山奈美 )
( 記事ID:18711 )