サミットボイコットの代償としてワシントンが5億ドルを提示
2010年04月21日付 Al-Ahram 紙

■ ウライカート:ワシントンがダマスカスサミットのボイコットに5億ドルを提示

2010年04月21日付 アル=アハラーム紙 HPアラブ面

【ワシントン:ハーリド・アル=アスマイー記者】

 パレスチナ情報筋は、来月シャルム・シェイフで4カ国サミットを開くというアメリカとイスラエルの提案をエジプトとパレスチナ政府が拒否した事を明らかにした。サミットには、イスラエル首相ベンヤミン・ネタニエフに加え、アッバース大統領、ヨルダン国王アブドゥッラー2世、そして米国務長官ヒラリー・クリントンが参加の予定であった。そしてそれ[エジプトとパレスチナ政府の対応]は、善意を示し単独で先走った行動を取らないという条件に、イスラエルが耳を傾けないことに対する返礼である。

 また一方で、パレスチナ解放機構(PLO)のサーイブ・ウライカート交渉局長は、中東における新しいアメリカの試みを明らかにした。つまり、2008年のダマスカスサミットに際し合衆国は、不参加の代償としてマフムード・アッバース大統領に年間5億ドルを提示したというのである。

ウライカートによれば、2008年3月24日ラーマッラーを訪れたディック・チェイニーは、パレスチナ政府によるダマスカスサミット参加を望まないとのワシントンの意向をアブー・マーズィンに伝え、代償として年間5億ドルを提示した。しかしアブー・マーズィンは、謝意を示しつつも、サミット参加がパレスチナ側の利益となる旨伝えた。

また、パレスチナ政府にボイコットを課すとの米議会による脅しにもかかわらず、アッバース大統領は合衆国の要請を拒否しエジプトの和解文書に署名したとウライカートは付言した。

 ワシントンではオバマ大統領がイスラエルとの二国間関係につき、将来より強固なものとなることを確信していると述べた。ネタニヤフ政府との緊張関係にもかかわらず、イスラエル建国60周年記念に際してのホワイトハウス声明によれば、オバマ大統領は、中東に包括的和平を実現し二国家解決に至るべく継続されるイスラエルの尽力に注目している。

 他方、ガザ、西岸からパレスチナ人を追放するとのイスラエル当局の決定に対し、ウライカート氏は、その撤回を求める作業が開始されたことを明らかにした。昨日の同氏声明によれば、パレスチナ指導部は、西岸とその拘置所からパレスチナ人を移送するとのイスラエル軍指令の撤回要請を国連安保理に提出の予定である。人権団体によれば、この決定に基づきイスラエルは既に1週間以内で200人を西岸からガザへ移送している。声明中ウライカート氏は、この軍事決定の危険性を明らかにすべく、パレスチナ指導部は中東和平国際四者委員会、アラブ連盟、国際人権団体等と連絡を取り合っていると述べた。

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( 翻訳者:深澤碧 )
( 記事ID:18973 )