イラン、ブラジル大統領の核提案を受け入れる
2010年05月06日付 Jam-e Jam 紙

アフマディーネジャード大統領のニューヨーク訪問は昨日、終わりを迎えた。その一方で、訪問最終日に発表されたニュースのなかでもっとも関心を引いたのは、イラン大統領とベネズエラのウゴ・チャベス大統領との電話会談についてのものだった。これに関する複数の報道によると、昨日のアフマディーネジャード=チャベス会談は、ブラジル大統領が提案したテヘラン原子炉用の燃料の交換・提供を中心に展開した模様だ。

 中央報道局が伝えたところによると、イラン大統領はチャベス氏との電話会談で、この提案に対して原則的に賛同していることを明らかにしつつ、この提案の技術的問題については話し合いを継続していく必要性があることを強調した。

 この提案に関する詳細はまったく明らかにされていないが、しかしこの提案は数日前に行われたブラジル外相によるイラン訪問の際に、イラン当局に提示されたものだと考えられる。ブラジル国内でのウラン燃料の交換が、この提案の要点であると言われている。

 ブラジル大統領はオルディーベヘシュト月下旬〔5月中旬ごろ〕にイランを訪問する予定であることから、この訪問のなかでブラジル提案の詳細が検討されるものと予想されている。ブラジルは国連安全保障理事会の非常任理事国であり、イランの核の権利については、擁護する姿勢を示している。

 イランのラーミーン・メフマーンパラスト外務報道官はジャーメ・ジャム紙とのインタビューの中で、ブラジル提案については多くを語ろうとせず、この提案の原則部分についてはイラン・ブラジル両国首脳のあいだで合意が得られており、その詳細はブラジル大統領のテヘラン訪問時に協議されるだろう、とだけ述べた。

 また、大統領事務所のエスファンディヤール・ラヒーム=マシャーイー所長も、「トルコとブラジルの両国は、ウラン燃料の交換問題に関与したいとの提案を行ってきた。イラン・イスラーム共和国も、この提案に賛同している」と述べた。

〔中略〕

 イラン・イスラーム共和国はこれまで常に、ウラン燃料の交換について、原則的に同意していることを表明してきたが、過去の西側諸国の約束違反を理由に、IAEAから出された案については、慎重な立場を示してきた。西側諸国がこうしたイラン側の慎重姿勢を受け入れようとしないことが、今までウラン燃料の交換案が実現に至らない理由となってきた。

 イランのマヌーチェフル・モッタキー外相は先月末〔4月20日〕、トルコ外相との共同記者会見で、「もし相手側がウラン燃料交換の原則について同意するのであれば、ほかの側面や分野についても、意見交換や合意が行われる可能性がある。その結果、相互の信頼をもとに、燃料交換の実現に向けた枠組みが形成されることもありうる」と強調していた。

制裁によってイランとアメリカの関係は完全に崩壊

 アフマディーネジャード大統領はニューヨーク訪問の最終日、さまざまな予定をこなした。そのうちのひとつが、記者会見への出席であった。

 イラン大統領は記者会見のなかで、イラン国民は制裁を恐れてなどいない、制裁にはイランの〔核開発の〕動きを止める力はないと強調した。

 アフマディーネジャード氏は、イラン国民にはアメリカとその同盟国からの圧迫に抵抗する力があると述べ、「これらの制裁は、イランとアメリカの関係を永遠に崩壊させるだけだ」と語った。大統領はまた、「われわれは制裁を歓迎しないが、しかし恐れてもいない」と指摘した。

 アフマディーネジャード大統領は約90分間にわたる会見のなかで、「新たな制裁が決議されれば、それはイランとアメリカの関係が二度と回復することはなくなる、ということを意味するだろう」と警告した。

〔後略〕

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( 翻訳者:吉田みずき )
( 記事ID:19101 )