入国拒否のチョムスキー、イスラエルの体制をスターリン的だと批判
2010年05月18日付 al-Hayat 紙

■チョムスキー、イスラエルをスターリン体制になぞらえる

2010年05月18日付『アル=ハヤート』

【ナザレ:本紙】

マサチューセッツ工科大学言語学教授でユダヤ系アメリカ人のノーム・チョムスキー氏は、ヨルダン川西岸地区にあるビール・ゼート大学での講演と、ビリーン村およびヘブロンへの訪問のため、一昨日[16日]、アレンビー橋を経て[ヨルダン側から] 入国しようとしたところ、イスラエル内務省に入国を拒否されたことについて、この決定はスターリン体制を彷彿とさせると語った。

アメリカの著名なユダヤ系思想家であるチョムスキー氏は、ヨルダンの首都アンマンからイスラエルの『ハアレツ』紙に談話を寄せ、イスラエルによる入国拒否の決定は、自分が向かう先がイスラエルの大学ではなく[パレスチナの]ビール・ゼート大学だったことへの抗議だろうと断言した。

チョムスキー氏はイスラエルのそうした振る舞いについて警告を発し、1960年代の南アフリカの振る舞いを思い起こさせるとして、次のように述べた。「当時の南アは鼻つまみ者として世界から見放されたと気付いても、プロパガンダ・キャンペーンによって問題は解決できると考えていたのだ。…私が思うに、イスラエルは自身の政策によって薄氷の上を歩み、危険なゲームをしている。だが、情況は急速に変化し得る」。

またチョムスキー氏は、国境の入国管理所でイスラエル職員から向けられた質問にも言及した。同氏によると、イスラエルがチョムスキー氏の著書(イスラエルの占領に反対する内容)を快く思っていないのを知らないのかと職員に訊かれた際、「私の著書を快く思う政府など世界にひとつもないだろう」と言い返したのだという。また2006年にヒズブッラーのハサン・ナスルッラー書記長とベイルートで会談していることについても訊かれたが、これに対しても、イスラエルを訪問する際にはイスラエル右派の代表たちとも会談しているのと全く同じように、ベイルートでも様々な政治潮流の代表たちと会談したと反論したという。

(後略)

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