日本でイラン人青年を殺害した殺人犯に禁固25年
2010年05月18日付 Iran 紙


【事件部:ホスロー・モバッシェル】強盗の末イラン人男性をナイフで殺害した日本人殺害犯に対し、日本の高等裁判所は有罪を宣告し、恩赦や仮出所の可能性のない禁固25年の判決を言い渡した。

 本紙記者の報告によると、犠牲者のペイマーン・エナーヤティーさんは80年〔西暦2001年〕に19歳で仕事のためタイに行き、しばらくしてオランダへ向かった。ペイマーンさんはその1年後に日本の名古屋市に移り、イラン人の友人の支援もあって、まずまずの暮らしをしていた。彼はその数年後、レストランの〔所有権の〕一部を購入するまでになる。

 ペイマーンさんは同時期に日本在住のブラジル人女性と知り合い、しばらくして2人は婚約した。その後、若い二人は生活のために、〔日本での〕財産を処分し、イランに戻る決心をする。だが、ペイマーンさんの死によって2人の願いは叶わぬものとなってしまう。2008年6月22日の夕方、彼が車に乗っていたところ、日本人殺人犯によってナイフで何度も刺され、殺害されてしまったのである。

 殺人犯は被害者から現金500万円を盗み逃亡した。警察・検察は本件の捜査で事件の手がかりを発見し、名古屋市のごろつき加藤哲生を殺人の容疑で逮捕した。容疑者は当初、イラン人青年殺害を否認していたが、日本の検察から証拠を突きつけられ、口を開き殺害を自供した。
〔※訳注:日本の報道によると、殺害されたエナーヤティー氏は覚せい剤の売人で、加藤被告はエナーヤティー氏から数回にわたって覚せい剤を購入したことがあったという〕

〔中略〕

 殺害された男性の父親マフディー・エナーヤティーさんは、ペイマーンさん殺害事件について、本紙記者に次のように語った。「息子は殺される一年前、私に連絡を寄こして、『投資のための資金として3億トマーン〔約3千万円〕が必要だ』と言ってきた。そこで私は、財産を売ったり、知り合いから借金したりして、息子の求めているお金を送ったんだ。後で分かったことだが、息子はレストランに共同出資していたようだ」。

 マフディーさんは続けて、次のように言った。「しばらく後、息子は財産を売却して、ブラジル人妻と一緒に生活を続けるためイランに帰ることを決意した。ところが帰国前に、無念にも殺されてしまった。この事件の後、息子の財産がどうなったのかも、皆目分からなくなってしまった。嫁もずいぶん努力したんだが、息子の財産を取り戻すことはできなかった。その一方で、私たちは息子の血を守るために、日本のイラン大使館を通じて、イラン人と日本人の弁護士を両方雇うことになってしまった。裁判が終わり、日本人殺害犯に有罪が宣告された今、私たちは日本人弁護士から1億トマーン〔約1000万円〕相当を請求されている。私たちにこんなお金、あるわけがない。だから、日本のイラン大使館と外務省関係者に支援を期待しているところなんだ」。

 マフディーさんはさらに、「息子の死後、妊娠中のブラジル人の嫁は失意の底に沈んでしまい、しばらく入院していたんだ。最終的に、日本人の医者の勧めで妊娠5ヶ月で子供を生むことになり、〔早産で生まれた子供は〕今も治療中だ。〔子供を死の淵から〕救うために、毎月約200万トマーン〔約20万円〕を母親〔=ブラジル人の嫁〕の口座に振込まざるを得ないんだ。こんなこともあって、目の前は問題山積だよ」とため息をついた。

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( 翻訳者:安斎卓也 )
( 記事ID:19228 )