国連安保理で対イラン制裁決議が採択:予想されるイラン側の反応
2010年06月10日付 Jam-e Jam 紙

国連安全保障理事会でアメリカが追加の反イラン決議の採択に動いたことは、同国がイラン・イスラーム共和国の平和的核活動に敵対する方針を鮮明にしたことを意味する。同国は問題解決のためと称して、交渉継続を主張したり、調停役を派遣したりしてきたが、こうした行動はむしろ、外見を取り繕ったり、〔国際社会の〕世論を味方に付けたりすることが目的なのである。

 国連安全保障理事会は昨夜、我が国への制裁を強化する新たな反イラン決議案を採択した。この決議案は12カ国の賛成によって採択された。

 安全保障理事会の非常任理事国であるトルコとブラジルは、この決議案に反対票を投じ、レバノンは投票を棄権した。

 イランはオルディーベヘシュト月下旬〔5月中旬〕にテヘランで、ブラジル・トルコとともに3カ国会議を開き、そこでウィーン・グループ(米、仏、露、IAEA)が燃料交換問題で指定していた条件すべてを受け入れ、西洋諸国が「信頼醸成」と呼ぶものに対して最大限の努力を行ったにもかかわらず、安保理決議が採択されてしまった格好だ。

 これ以前にも、イラン・イスラーム共和国は西洋諸国の誠意は信用できないと表明していたが、それを裏付けるように、アメリカはテヘラン宣言の採択後数時間で、4つ目となる反イラン決議の草案作成を明らかにしていた。その一方で、後に伝えられた報道によると、アメリカのオバマ大統領は自らブラジル大統領およびトルコ首相に宛てた書簡の中で、彼らにイランの核問題での仲介役を要請していたという。

〔中略〕

予想されるイランの反応

 「決議第1929号」として知られる安全保障理事会の新たな反イラン決議の採択は、当然のようにイラン側から反発を引き起こすことになるだろう。

 イラン・イスラーム共和国はこれまで、イラン核問題を調査する資格のある唯一の国際機関として、国際原子力機関(IAEA)に常に協力してきた。またイランは、この問題への安全保障理事会の介入には法的効力はないとの認識を何度も強調してきた。これまで安全保障理事会によって採択されてきた数々の決議案にイランが従ってこなかったのは、まさにこのことが理由なのである。

 もちろん、イランはこれらの決議を無視してきたわけではなく、その各々に対してきちんと反応を示してきた。そして今回の新たな決議に対しても、同様に〔イラン当局から〕反応が示されることが予想される。

 こうした反応としては、最悪の場合、イランのNPTからの脱退といったケースすら考えられるだろう。あるいはイラン国内でウラン濃縮活動を活発化させる可能性もある。

 イラン当局はこうした〔今後のありうべき〕反応について多くを語ってはいないが、当局者らの発言からは、4つ目となる安保理決議の採択はイラン政府と5+1グループ〔=安保理常任理事国+ドイツ〕の交渉にとっての「ピリオド」を意味することが予想される。

 マフムード・アフマディーネジャード大統領は、最近訪問したイスタンブールで記者会見に臨み、その中で、アメリカが新たな反イラン決議の採択に動いていることに触れ、「われわれは誇りと敬意を基本に話し合いを行う。もし棍棒を振り上げ、粗野な口調で話しかけてこようものなら、それに対する返答は〔話し合いを行うまでもなく〕すでに決まっている」と強調した。

〔中略〕

新たな安保理決議の要旨

 新たな決議では、イランは弾道ミサイル関連のあらゆる製品・サービスの購入やウラン鉱山への投資、さらには戦車、装甲車、軍艦、軍用ジェット機・ヘリコプター、ミサイル・システムなどの一部重兵器の購入を禁じられる。

 また、イランの核およびミサイル計画と関係があると指摘されたイラン企業・機関40社も、新たに制裁対象リストに加えられた。

 この決議は各国政府に対し、イランに輸送される、ないしはイランから外に輸送される全ての航空・船舶貨物に、安全保障理事会によって禁止された核関連物質やミサイル、および軍事物資が含まれていることが十分疑われる場合、これらの貨物を自国内の空港や港湾、及び領海において検査するよう求めている。

 一部の報道によれば、決議は各国政府に対し、イランの船舶貨物を、国際法に基づいて公海上で検査・押収し、必要であれば廃棄することまでも許可しているという。

〔後略〕

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( 翻訳者:須川美保 )
( 記事ID:19440 )