「イラン人の銀行口座凍結は宣伝行為」:UAEの新措置にイラン商工会議所の会員(下)
2010年06月30日付 Mardomsalari 紙

UAEは西洋諸国に気に入られようとしている

 これに関して、中東問題の専門家であるホセイン・アラーイー氏はこう述べる。
サッダームがイランと戦争をしていた時代、UAE政府はイラン・イラク戦争から最大の利益を得ていた国のひとつであった。というのも、UAEはイラクに対し大規模な財政支援を行う一方で、戦争という機会を〔‥‥〕〔イランへの〕商品輸出のための絶好のチャンスとして利用していたからだ。

 同氏はさらに、次のように続ける。
同時に、ここ数年間、UAE政府は貿易や商業活動の分野でイランと西洋諸国との間に生じたさまざまな制約から好機を生み出し、イランの資金をUAE国内にひきつけてきた。さらに、さまざまな企業を設立することで、イランへの商品の輸出に関して、イランと欧米諸国の間のブローカーとして活動することにも成功し、ここからUAEは莫大な利益を手に入れた。つまり、対立や制裁といった問題によってイランと西洋諸国の間に生じた制約の全てが、UAEにとって最高の機会となったのだ。

 アラーイー氏はこのことついて、さらに次のように明言した。
実際、ドバイは過去20年間でイラン人から約3000億ドルの資金を自国にひきつけたのであり、UAE、特にドバイとジャブラル・ハリール港の発展は、一方でイラン人らによる投資の、他方で西洋諸国とイランの間の対立のおかげなのである。にもかかわらず、UAEはいろいろな場面でイランに対して政治的圧力を行使しようとしてきた国の一つでもある。イランと西洋諸国の間の対立が激しくなるといつも、UAE政府はイラン領である三島〔=大小トンブ島とアブー・ムーサー島〕の領有問題を提起してきた。彼らは、ペルシア湾岸協力会議やその他のアラブ系の会議を通じてこの問題を提起することで、西側諸国と一緒になって、イランに対して新たな圧力をかけようとしてきたのである。

 この専門家はさらに、次のように続けている。
イランに対し国連安保理による4度目の制裁決議が科せられた現在の状況においても、UAE政府は5+1諸国〔安保理常任理事国+ドイツ〕に同調して、またアメリカの求めに応じる形で、イランに敵対的な行動に出ているのを、われわれは再び目の当たりにしている。彼らはこの機会を利用して、西洋諸国に気に入られようとしているのだ。UAEは5+1諸国の気を引くだけでなく、イランとの関係でブラック・マーケットを通じた商業活動を行い、イランに商品を再輸出するための絶好のチャンスにしようとしている。

〔後略〕

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( 翻訳者:井口秀太 )
( 記事ID:19725 )