ラマダーン月と物価上昇
2010年08月09日付 Al-Ahram 紙

■神聖なる月…そして物価上昇

2010年08月09日『アル=アハラーム』紙(エジプト)コラム

[アブドゥルファッターフ・イブラヒーム]

 神聖なるラマダーン月―アッラーがエジプトとイスラーム世界に幸福と祝福をもたらしますように―の始まりが近づくにつれ、牛や羊、鶏等の肉類や、野菜や果物などの食料品の価格が急激に上昇し、低所得世帯どころか中所得家庭の購買力を上回るほど異常なものとなっている。責任者たちの発表が、「市場の監視の強化および価格を翻弄する者たちの逮捕により、商品は適正価格にて豊富に出回っている」と常に強調しているにも関わらず、このような事態が起こっている。

 しかし、エジプトでは「自由市場」とのスローガンの下、市場と物価への監視が欠如しているために、市場の実情は、責任者たちが日々様々なマスメディアで発表する内容とはまったく異なっている。その一方で、多くのアラブやアジアの国々は同じ「自由市場」の旗の下で活動しながら、基本物資の価格上昇に上限を設けている。それならば、何故エジプト政府は、多くの関係方面が価格の上限を設けるために介入することが同国の法律により認められているにも関わらず、低中所得世帯の大切な生活を支えるために上限を設定しないのだろうか。農業や工業、商業において認められているエジプトでは、生産が必要な量を賄い切れておらず、供給が需要を下回っているために、物価が狂気の沙汰ともいえるほど上昇していることは果たして理にかなっているのだろうか。あるいは、特にラマダーン入りを目前に控え、市民が必需品をそろえるために、またエジプト全土で広く行なわれている「慈悲の食卓」〔訳注:貧者や労働者に対して断食が明ける日没後にふるまわれる食事。寄付により賄われている〕のために需要が増加している時に、商人の貪欲さや、責任者たちが監視当局による市場の監視を徹底させていないことが物価上昇の原因となっていることは不合理ではないだろうか。この神聖なる月には一体何が起こるのだろうか。

 市場と物価の規制を担う当局の役割はどこにあるのだろうか。また、消費者保護機関や商工会議所の役割はどこにあるのだろうか。これらの機関は、物価上昇に歯止めをかける役割を失ってしまったのか。もしくは、国家や政府の機関へと組み込まれ、具体的な現実からかけ離れたことを繰り返し述べるバラ色の発表を受け取るだけとなってしまったのだろうか。

 責任者の方々が、この神聖なる月の機会に少しの時間でも事務所を離れて現場である市場を訪れ、低中所得の市民たちを物価高から解放するために具体的な措置をとることを私は願っている!それでは楽しいラマダーンを。‏

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( 翻訳者:石川貴子 )
( 記事ID:19947 )