イラン、ロシアとの核燃料コンソーシアム設立を提案
2010年08月28日付 Jam-e Jam 紙

イランはロシアに対して、核燃料確保のために合同でコンソーシアムを設立することを提案した。これは木曜日、アリー・アクバル・サーレヒー原子力庁長官がブーシェフル原発、及びイラン核開発の状況について説明するのために出演したテレビの生番組のなかで発表したものだ。

 サーレヒー氏によると、この提案はキリエンコ・ロスアトム社〔=ロシア原子力庁〕社長がブーシェフル原発の初期稼働のためにイランを訪れた際、クレムリンに伝達してもらう目的で、同社長に提示されたという。

 サーレヒー氏はまた、「計画では、われわれは国の電力需要をまかなうために、新規に〔原子力〕発電所を複数、建設する予定である」と述べたうえで、「先月のモルダード月下旬〔西暦8月中旬〕にロシア原子力庁長官〔=キリエンコ〕がイランを訪れた際、ブーシェフル原発、ならびに新規の〔原子力〕発電所用の〔核〕燃料調達との関連で、われわれは両国合同の核燃料コンソーシアム設立を提案した。ロシア側は現在、これを検討中である」と述べた。

 イラン国営通信(IRNA)の報道によると、同氏はさらに「このコンソーシアムはロシアのライセンスの下で運営され、一部の作業についてはロシアで、また別の作業についてはイランで行われることになる。ロシア政府は、現在この提案を検討中である」と付け加えた。

 サーレヒー氏は「我々は我が国のすべての〔原子力〕発電所の燃料を国内で生産するつもりはない」と強調した上で、ロシア側がこの提案を検討した上で、イランに協力してくれることに期待を表明した。

 サーレヒー氏はイラン提案の詳細については言及しなかったが、イラン・ロシア双方の交渉当事者に近い筋の発言としてロシア・インターファクス通信が伝えたところによると、イラン国内原発用の燃料を生産する可能性について、ロシアは否定的ではないという。この通信社が報じたところによると、イラン側の提案はブーシェフルにある原発と同様の原発(複数)向けの燃料を、イラン国内で生産することを基本としている模様だという。

 イランとロシアが結んだ契約によれば、ロシア政府はブーシェフル原発用の燃料を提供する義務があり、代わりに使用済み核燃料について引き取ることになっている。イランは以前にも、5+1グループ〔=安保理常任理事国とドイツ〕に提示した包括提案のなかで、核コンソーシアム構想を提示したことがある。

 この包括提案は初め、1387年ホルダード月初旬〔西暦2008年6月中旬〕、ハビエル・ソラナEU外交政策上級代表(当時)に対して提示されたもので、イラン側の提案のなかには、「イランをはじめとする世界各地で〔必要とされる〕核燃料の濃縮と生産を行うためのコンソーシアムの設立」という文言が含まれていた。しかし、当時から現在に至るまで、イラン政府のこの提案に対する回答はないままとなっている。

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( 翻訳者:多田直輝 )
( 記事ID:20067 )