若い娘ら、求婚者を装うペテン師の罠に
2010年10月14日付 Jam-e Jam 紙

パイロットを名乗り、イランでも指折りの商家の息子だと称して、若い女性たちに結婚詐欺を働いていた男が、首都警察の追跡を受けている。

 ジャーメ・ジャム紙によると、男は高級車に乗ってテヘラン各地を徘徊し、路上でタクシーを待っている女性たちを物色していた。本件の捜査が刑事警察によって開始されたのは、数週間前テヘラン第2地区検察庁の予審第16支部に、ある若い女性が訪れ、この詐欺師の男について訴えたことがきっかけだった。女性の訴えを受けて調書が作成、捜査が始まった。

パイロットは詐欺師

 被害者は詐欺事件の詳細について、警察に次のように語った。「35日前、道でタクシーを待っていたら、高級車が私の前に停まりました。最初は見知らぬ男性の車に乗るつもりはありませんでしたが、家に帰るのが遅くなりそうだったので車に乗りました。帰る途中、彼は自分のことをパイロットで、イランでも指折りの商家の息子だと自己紹介し、自分の生活状況についてあれこれ話してきました。そして、私の生活についてもいろいろと尋ねてきたのです」。

「路上の出会い」から幻の求婚まで

 被害者の女性は続けた。「この出会いの後、電話で連絡を取り合う関係になりました。何度か会ううちに、彼は私のことが好きになったと言って、求婚する意思を見せてきました。私の提案で、お互いのことをよく知った後で、私の家族に会いましょう、ということになりました」。

 「こうして何度かデートを繰り返していると、ある日彼は私に何倍にもして返すからと言って、株の投資話を持ちかけてきました。私は彼を信用して、800万トマーン〔約70万円〕を彼の口座に振り込みました。彼は私のために株に投資してくれるはずでしたが、ところがその後、行方をくらましてしまいました。捜索も行いましたが、無駄でした」。

 警察はこの女性から得た情報を元に、この詐欺師の似顔絵をCGで作成し、捜索を続けた。

 捜査が続くなか、他の女性たちからも警察署に対して同様の訴えがあった。彼女たちの事件を調べた結果、男の似顔絵が同一人物のものであることが判明、似たような方法で若い女性たちから多額の金品を騙し取っていたことが明らかになった。

 警察がペテン師の口座番号を調べたところ、その番号は若い女性のものだということが判明した。こうして数日前、銀行口座の所有者が特定され、警察署に呼び出された。女性は警察の取り調べで、「私も詐欺師の罠に嵌ったのです」と訴えた。

 報告によると、入手した情報を元に、警察は複数の顔を持つ詐欺師の男の逮捕へ向けて、特別捜査を開始したとのことだ。

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( 翻訳者:阿部初音 )
( 記事ID:20446 )