イラン人核物理学者暗殺に対する敵の目的:各関係者らが指摘
2010年12月01日付 Jam-e Jam 紙

マヌーチェフル・シャフリヤーリー博士の殉教とフェレイドゥーン・アッバースィー博士の負傷という事態をもたらした、今週月曜日のイラン人核研究者2名へのテロ事件に対し、イラン当局ならびに学生団体からは嫌悪の念が示された。

 殉教したシャフリヤーリー博士の葬列が本日、「首脳会議ホール」の正面からの始まる予定だが、そうした中、昨日262名の国会議員によって声明が発表され、国会公開本会議場で読み上げられた。この声明は、イラン人核研究者2名へのテロを非難するとともに、今回の行為はイランの核開発の進歩に対する覇権主義者たちの敵意によるものであり、世界の抑圧主義諸国によって〔イラン国内で〕雇われた傭兵たち、ならびに〔国内に潜伏する〕シオニスト体制の追従者たちによって実行された陰謀だ、と指摘する内容となっている。

 ラーミーン・メフマーンパラスト外務報道官も、昨日のメディアとの記者会見で、テヘランの大学に務める大学教授2名へのテロを痛烈に非難し、テロリストらによる今回の卑劣な行動は、西洋諸国で叫ばれている人権というものがいかに中身のないものであるかを示すものだ、と指摘した。

 同報道官はまた、テロの被害に遭った大学教授2名のうちの一人であるフェレイドゥーン・アッバースィー博士の名前が、対イラン国連安保理決議第1747号の制裁対象リストのなかに記載されていることに関し、「残念なことに、西洋諸国がテロ組織を支援していることは否定できない。〔今回のテロ事件によって〕この疑惑は、深刻な形で持ち上がっている」と語った。

 同報道官はさらに、英国の治安機関による脅し〔※〕が今回のテロと無関係とは思われないと指摘し、「今回の事件の主な容疑者は西洋諸国である」と述べた。
〔※10月下旬にイギリスMI6のジョン・サワーズ長官が、イラン核開発を阻止するためには、外交活動だけでなく諜報活動も必要だ、と述べたことを指している〕

 モスタファー・モハンマド・ナッジャール内相も、内閣によるマーザンダラーン州訪問の中で、今回のテロ行為を非難し、シオニストに仕える者たちが今回の事件に関与しており、彼らの目的は若者たちによるかつてない規模の国の発展を台無しにすることにある、と強調した。

 公益判別評議会のアーヤトッラー・アクバル・ハーシェミー=ラフサンジャーニー議長もまた、声明の中で、イラン核物理学の分野で飛び抜けた存在だった2名の教授に対するテロについて触れ、今回の卑劣な行為を非難した上で、治安部隊に対し、雇われのテロ分子らの特定、ならびに毅然とした法的処罰に向けて、気を緩めることなく真剣に行動するよう求めた。

 国会の国家安全保障・外交政策委員会のアラーオッディーン・ボルージェルディー委員長も、大学教授に対する今回のテロをめぐって、委員会で緊急会議が開かれたことについて指摘した。同委員長によると、情報省、内務省、治安維持軍、及び革命防衛隊の各代表者らが臨席するなかで開かれたこの会議で、日ごとに増すイラン・イスラーム共和国の核技術の能力に対抗することが、〔今回のテロにおける〕敵の目標だった、との結論にいたったという。

 同委員長は、対イラン制裁の後にテロという手段に訴えることが、敵の〔当初からの〕目論みだったと述べ、「殉教者イマード・ムグニーヤ〔※ダマスカスで暗殺されたレバノン・ヒズブッラーの幹部〕がシオニストらの手によって殉教したときと同じ手法が、今回のテロでも用いられた」と指摘した。

 国防相のヴァヒーディー司令官もこれらのテロを非難し、こうした行為は西洋、特に米英の諜報機関と連携しつつ、カネで雇われた偽善者たち〔※反体制組織モジャーヘディーネ・ハルグ(MKO)のこと〕を代理人に仕立てて、シオニスト体制によって行われたものだと強調した。

 テヘラン検事長のアッバース・ジャアファリー=ドウラトアーバーディー氏も、今回のテロ行為に関し、テロ分子への毅然とした対応を求め、今回の事件が昨年暗殺されたアリーモハンマディー教授の事件のように〔うやむやに〕なってはならない、と指摘した。

 他方、シャヒード・ベヘシュティー大学やアミーレ・キャビール工科大学をはじめとする各大学に籍を置くイラン人学生らは、各地で集会を開き、今回のテロ行為を批判、シュプレヒコールを上げながら、テロ行為に対する嫌悪の念を表明した。

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( 翻訳者:塩尻菜穂子 )
( 記事ID:20904 )