チャーバハールで血塗られたタースーアー:革命最高指導者「敵はムスリムの団結を見たくはないのだ」
2010年12月18日付 Jam-e Jam 紙

チャーバハールで発生した「血塗られたタースーアー」〔※イスラーム太陰暦ムハッラム月9日、西暦12月15日〕の殉教者たちの清浄なるご遺体の葬送の儀式が昨日、最高指導者代理や内相、複数の国会議員、及びスィースターン・バルーチェスターン州の市民らが参列する中、執り行われた。

 全国各地の市民と同様、チャーバハール市民も〔イマーム・ホセインとその一族郎党に対する〕追悼の儀式に勤しんでいたタースーアーの日、自爆犯が爆発物を巻き付けたベストを追悼中の人々のいる中で爆発させた。それにより、36名の同胞が殉教、80名以上が負傷した。

 内相によると、このテロ行為はムハッラム月9日の午前10時30分頃、国境を越えてチャーバハール県に侵入していた2名のテロリストによって実行されたものだという。完璧な装備と訓練を身につけていた2名のテロリストのうち、1名は〔テロ〕行為を果たす前に〔当局によって〕特定され、殺害されている。

 スィースターン・バルーチェスターン州治安担当副知事のサイヤーフ氏は、イラン国営放送報道センターとのインタビューのなかで、今回のテロによって殉教した人のうち、8名はスンナ派の同胞であったと発表した。

 イラン国営通信(IRNA)によると、イスラーム革命最高指導者は、今回の事件に際して発したメッセージ(このメッセージは昨日、チャーバハールでおこなわれた殉教者の葬儀のなかで、アーヤトッラー・ゴンミーによって読み上げられた)のなかで、次のように強調した。「国民は〔今回の事件で〕敵の目的が何であるかを、しっかりと認識したはずだ。〔米英などの〕抑圧主義諸国は、イスラーム共同体が名誉と権力を手に入れることを望んでいない、ということを」。

 同氏はさらに、「敵はイスラーム教徒が団結し、イスラーム世界が力を持つ様を見たくはないのだ。イスラームの統一や、アーシュラーの蜂起が我々に与えてくれる教えを、敵は恐れているのだ」と付け加えた。

 このメッセージはさらに、次のように続いている。「もし〔1300年前に〕カルバラーでイマーム・ホセイン〔とその一族郎党〕が殉教したならば、〔まさにそれを再現するかのように〕今日母と生後2カ月の赤ん坊、男も女も、さらには子供までもが血の中をのたうっている」。

 このメッセージはさらに、「敵は我が国でウラン濃縮が行われるのを見たくはないのだ。この問題は、イスラームとイスラームの敵の間の問題なのである」と続けている。

8名のテロリストが逮捕

 チャーバハールでのテロが起きて数時間後、処刑されたアブドルマーレク・リーギー率いるテロ組織に関するニュースを特別な形でカバーしているアル・アラビーヤ放送は、テロ組織ジョンドッラーがチャーバハールでの爆破事件に関与していたと報じた。
〔※アル・アラビーヤ放送はドバイに本社を置くテレビ局で、出資者のなかにはサウジアラビア政府が含まれている。記事でアル・アラビーヤがジョンドッラーを「特別な形でカバーしている」と表現されているのは、《ジョンドッラーはサウジに支援されたワッハーブ派系のテロ組織で、そのつながりでサウジ系アル・アラビーヤ放送がジョンドッラーの宣伝を行っている》ということを暗に示すためだと考えられる〕

 今回の犯罪行為を受け、情報省の某関係筋は「チャーバハールのタースーアーでテロ事件を起こした犯人8名がすでに逮捕された」と明かした。

 メフル通信によると、この人物はさらに「《時のイマームの無名戦士たち》〔※情報省の職員のこと〕は、木曜日未明に行われた特別諜報・作戦行動の結果、今回の犯罪行為に関わった別の8名のテロリストらを、スィースターン・バルーチェスターン州内のチャーバハールやニークシャフル、ケナーラクの各県で特定し、逮捕することに成功した」と付け加えた。

 この人物はさらに、次のように続けた。「入手した情報によると、今回のような〔テロ〕行為は、覇権主義者たち〔=米英〕の諜報機関の指導の下、〔イラン国内を〕不安定化させ、イラン南東地域ならびにチャーバハール港の経済的大飛躍を阻止する目的で起こされたものだ。至高なる神の助けのもと、これらの陰謀は《時のイマームの無名戦士たち》の機敏な対応によって特定され、無力化されるだろう」。

[中略]

事件にワッハーブ派関与の可能性

 ザーヘダーン選出の国会議員も、先の水曜日に起きたテロ事件に遺憾の意を表明した上で、今回の2件の爆破事件の犯人2名はワッハーブ派の人物だったと指摘した。

 ホセイン・アリー・シャフリヤーリー氏はイラン学生通信とのインタビューで、「現地の情報によると、2名のテロリストはワッハーブ派の者だったとのことだ。彼らはおそらく、シーア派信徒を殺すことで天国が保証されると信じて、今回の野蛮なテロ行為に走ったものと思われる」と語った。

[後略]

(本記事はAsahi中東マガジンでも紹介されています。)

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( 翻訳者:山本和代 )
( 記事ID:21061 )