サアーダトアーバード殺人事件:死刑囚の男が公開処刑
2011年01月06日付 Jam-e Jam紙


【事件部:ナーセル・サブーリー】テヘラン北部サアーダトアーバード地区のカージ広場で発生した血塗られた殺人事件から69日後の昨日早朝、事件発生現場から少し離れた場所で、犯人の男が絞首刑に処せられた。

 アーバーン月6日〔10月28日〕にヤズダーンさん(男性・30歳)をナイフで切りつけ殺害した「サアーダトアーバード事件」。事件の様子を映した映像がソーシャルネットワーキング・サイトに流出し、またブルートゥース機能をつかって携帯電話の間を伝わるなど、耳目を集めたこの事件の犯人が、犯行現場近くで処刑されるとの情報を聞きつけた人々は、刑執行の様子を近くから一目見ようと、昨朝ダリヤー通り交差点・青果広場に集まった。

 現場を取材した本紙記者の報告によると、昨朝5時42分、法医学の救急車が現場入りした。すると、現場はにわかにざわめきはじめた。救急車のすぐそばにはクレーンが一台用意されていた。刑執行の担当者がチェックしたところ、用意されたクレーンでは不適当だということで、担当者らは別のクレーンを用意するよう要求した。そしてそのほんの数分後、より大きめのクレーンが現場に到着した。

 その場にいた群衆は、ヤアグーブ死刑囚の登場と刑の執行を待ちわびた。時計の針が6時14分を指した頃、ヤアグーブが囚人護送用の特殊車両に乗って、警察のバイク数台に護衛される形で現場入りした。

 死刑囚の到着とともに、防護柵の向こう側にいた群衆からは「示談、示談」の掛け声とともに、遺族らに対して自分の子供を殺害した犯人を容赦するよう求める声が上がった。
〔※訳註:加害者であるヤアグーブは「同害報復刑」を意味する「キサース刑」により、殺害された被害者と同じ運命、すなわち「死」が宣告された。加害者に対するキサース刑は、被害者ないしは被害者遺族の「権利」であり、被害者・被害者遺族は「賠償金」(ディーヤ)によって加害者と「示談」し、キサース刑を免除することができる。〕

 死刑囚が刑執行の場所に到着すると、テヘラン刑事検察庁長官のアミールアーバーディー次席検事は死刑囚が犯した罪、事件の審理、ならびに判決の詳細について読み上げた。そして6時24分、3名の刑務官がヤアグーブ死刑囚を、処刑が行われる場所に連れて行こうとした。このとき死刑囚は抵抗したものの、結局青色のロープが首に掛けられ、クレーンのクビの部分が動き、ヤアグーブ死刑囚は処刑された。それとともに、現場に集まっていた群衆からはざわめき声が聞かれた。

 30分後、時計の針が朝7時に近づいている頃になって、遺体が下に降ろされた。法医学センターの医師らによる診察を経て、刑事検察庁判決執行判事のエスマトッラー・ジャーベリー判事は、遺体を法医学のもとに搬送するよう指示した。

事件の詳細

 ヤアグーブ死刑囚に関する事件調書によると、同死刑囚はアーバーン月6日、サアーダトアーバード地区のカージ広場にて、ヤズダーンという名の若者と取っ組み合いのケンカになり、市民ならびに警察官2名がいる前で彼を刺殺した容疑に問われていた。

 シャフリヤーリー予審判事が事件現場に向かい、初動捜査が行われ、容疑者の拘束が命じられた。容疑者は取り調べのなかで、「私は3年前、キーミヤーという名の女性に好意を抱き、彼女のためにサアーダトアーバード地区にあるオフィスを2億2千万トマーン〔約1760万円〕で借り上げ、そこで不動産業を営むことになりました」と供述した。

 容疑者はさらに「この女性と関係を持つようになってしばらくしたある日、私たちはケンカをしてしまいました。その結果、6ヶ月前、私は彼女に訴えられ、収監されてしまいました」と述べ、次のように続けた。「釈放後、私は自分のいない間に、キーミヤーがヤズダーン(殺された男性)と情を通わせ、この男と結婚しようとしていることに気がつきました」。

 「私はヤズダーンと連絡を取り、営んでいる不動産事務所の前で話し合うことになりました。そして彼と取っ組み合いとなり、気がついた時には彼を殺していました」。

 容疑者が殺害を明確に認めたことで、刑事予審判事は同容疑者を有罪と判断し、起訴状を発行した。また、この事件が人々の耳目を集めたことから、司法権長官も順番を飛ばして同事件の審理を行うよう指示を出した。同事件の審理はテヘラン州刑事裁判所第71法廷で行われ、被告人ならびに弁護人の弁論を経て、被害者遺族からキサース刑の要求が行われた。これを受け、ヤアグーブ被告にはキサース刑と74回の鞭打ち刑の判決が言い渡された。

 この判決が最高裁で支持されると、本件は刑事検察庁判決執行局に送られ、法的手続きを経て、ヤアグーブ死刑囚は昨朝、群衆が見守る中、絞首刑に処せられた。

余録

 ・昨日未明から、警察官らは刑が執行される現場ならびに周辺の通りに出て、往来の整理を始めた。そして朝3時頃から、徐々に人々が現場に集まり始めた。

 ・刑の執行現場には、新聞記者やカメラマンらが大挙して押し寄せていた。そこで、警察関係者から警察車両に取り付けてあるマイクを通して、写真や映像の撮影は一切禁止であるとのお達しが告げられた。

 ・死刑囚の父親は被害者遺族に対して、ひっきりなしに「示談」を嘆願した。死刑囚が特殊車両に乗って刑執行現場に到着すると、群衆からはざわめきが生じ、「示談、示談」を叫ぶ声が聞かれた。

 ・ヤアグーブ死刑囚は車から降りるや、大きな声で「神よ、私の身をあなたにお預けいたします」と叫んだ。

 ・殺害された被害者の母親は、最後の瞬間、判決執行判事に向けて「犯人の顔を平手打ちさせて下さい。息子が死んでからというもの、気の安らぐ時は一瞬たりともなかったのです」と訴えた。

 ・刑執行後、「司法と警察に感謝、感謝」の声が群衆から鳴り響いた。

 ・死刑囚の遺体が袋に入れられると、法医学の車両がサイレンを鳴らして現場を後にした。

 ・本紙ジャーメ・ジャムのカメラマンが、〔警察の禁止を無視して写真撮影を行ったため?〕警察官に激しく暴行された。

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(翻訳者:斎藤正道)
(記事ID:21129)