スーダン政府:「南部がアビエイ地区を併合するならば新国家を承認しない」
2011年04月28日付 al-Hayat 紙

■ スーダン政府、南部スーダンがアビエイ地区併合の場合は新国家を承認しないと警告

2011年04月28日『アル=ハヤート』

【南コルドファン:アン=ヌール・アフマド・アン=ヌール】

南北スーダン間で国境画定に対する意見の対立を激化させかねない情勢になっている。 与党・国民会議党(NCP)は昨日[27日]、「今年7月9日に樹立宣言が行われる見通しの南部スーダン国家が、南北間で係争が起こっているアビエイ地区を併合した場合には同国家を承認しない」と発表した。

一方、スーダンのウマル・アル=バシール大統領は、サラーフ・アブドゥッラー・ゴッシュ国家安全保障担当大統領顧問を大統領側近である与党のナーフィウ・アリー・ナーフィウ副書記長との意見の相違を背景に更迭した。アビエイ地区を南部国家に帰属させることに対する北部の立場について、NCPのアビエイ地区責任者であるアッ=ディルディーリー・ムハンマド・アフマド氏はハルツームでAFP通信に、「南部スーダンの憲法草案にアビエイ地区は南部国家の領土の一部であるとの規定を含むことは包括和平合意(CPA)違反であり、南部の自決権をめぐる住民投票の結果を越えた行為である。取り決めでは、南部スーダンとは[スーダンが独立した]1956年1月に画定された境界線以南の地域のことだと謳われている」と語った。さらにアフマド氏は、「NCPは南部併合の規定を受け入れることはなく、これらの違反を承認することもない。南部側があくまで憲法にこの規定を盛り込むならば、今年7月9日に樹立宣言が行われる見通しの南部スーダン国家の承認は見直されることになるだろう」と発言した。

南部自治政府のサルヴァ・キール・マヤルディ大統領が受理した南部スーダンの憲法草案は第1章第2節で南部スーダン共和国およびその国境について規定しており、「南部スーダン共和国の国境は、1956年1月1日の境界線に基づくエクアトリア州、バフル・アル=ガザール州、上ナイル州の領土および領空と、ディンカ族ンゴック氏族の9首長国の領域を境界とするアビエイ地区である。同地区の帰属は1905年にバフル・アル=ガザール州からコルドファン州に改組され、2009年7月に発表された常設仲裁裁判所の判決でも確認されている」とある。南北スーダンは石油資源が豊富で両地域の境界線地帯にあるアビエイ地区をめぐって紛争を続けている。

これに関して、ウマル・アル=バシール大統領は昨日[27日]、アビエイ地区に隣接するムジャッラド市で大衆に向けて演説を行い、「再三再四繰り返すが、アビエイ地域は北部に帰属しており、これからもそうであり続ける」と述べた。

バシール大統領はスーダン人民解放運動(SPLM)に対し、「SPLMは戦争を望むのであれば、2度敗北することになるだろう」と警告し、南コルドファン州知事選挙に遅れが出ていることに対しては、「我々は彼らが望むのであれば、彼らと共に山に登り、激しい戦争を始めるだろう」と述べた。バシール大統領は、アビエイ地区をめぐって南部のディンカ族ンゴック氏族と紛争状態にあるミッセリア族の拠点であるムジャッラド市から演説を行った。大統領の訪問は、南コルドファン州知事選挙でSPLMのアブドゥルアズィーズ・アル=フルウ候補に対抗し、現職のアフマド・ハールーン知事の選挙活動に参加することが目的であった。知事選は同州の人口調査に関してNCPとSPLMとの間で意見の食い違いが生じたのが原因で昨年4月以来延期されている。

(後略)

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( 翻訳者:桑原奈緒子 )
( 記事ID:22298 )