サッカー界に暗躍するマフィアの実態、暴かれる
2011年09月07日付 Jam-e Jam 紙

マジード・ジャラーリー「我が国のサッカー界にはびこる悪しき現象に、我々は真剣に取り組むべきであり、すべての人がこの戦いに加わるべきである」

【運動部:ホッジャトッラー・アクバルアーバーディー】サッカーの専門家たちは、イラン・サッカー界にはびこる悪しき腐敗に対処していくには、国民的な決意が必要であり、サッカー協会がこの腐敗との戦いに単独で勝利して、凱旋するようなことができるなどと期待してはならないと強調している。また、サッカー界に伸びる汚れた手を払いのけるには、治安機関が速やかに行動を起こすことも重要だとの指摘もある。

 〔イラン国営放送のサッカー番組〕「90分」は月曜日、サッカー界にはびこる腐敗の深刻さを明らかにした。〔‥‥〕

 〔番組に出演した〕経験豊かなサッカー専門家で現在「フォウラーデ・フーゼスターン(フーゼスターン鉄鋼)」の監督を務めるマジード・ジャラーリー氏によれば、このマフィア・ネットワークの活動には様々な側面があり、マフィアたちの非合法な活動や通常とは言えない行動によって、イランの国営プロリーグは自らのポテンシャルを十分に発揮できずにいるという。

 別のイラン・サッカーの専門家・監督のモハンドレザー・キャルブコンディー氏とともに月曜日夜の番組「90分」に出演したジャラーリー氏は、〔‥‥〕次のように述べた。

まず指摘しておきたいのは、我々はサッカー界にブローカーがいること自体に反対しているわけではないということだ。というのも、同じようなことはどこにでも存在し、それを問題視することはできないからだ。しかし問題は、一部の人間がマフィアにように尋常ではない方法で、イラン・サッカー界でやり取りされているお金の一部を不当に取得しようとしていることだ。

例えば、イランのサッカーでは年間4千億トマーン〔約300億円〕の費用がかかっているが、そのうちの10パーセント、つまり400億トマーンがこうしたマフィア・ネットワークの懐に入っている。あらゆる場所に根を張っているこうしたマフィアたちと全面的に闘うことで、彼らを「干上がらせる」必要があるのだ。

 ジャラーリー氏は「数年前、この分野での戦いがはじめられ、数名が逮捕されたが、この計画はよく分からない理由で途中で終わってしまった」と続け、さらにこう指摘した。

イラン・サッカー界を蝕む腐敗との戦いは、サッカー協会とイランのスポーツ機関だけで完遂できるようなことではなく、治安機関や司法機関も、彼らとスクラムを組んでこの問題に取り組み、サッカーマフィアたちの汚れた闇の活動の根を抜き取る必要がある。

〔‥‥〕

「マフィアは試合結果を操作している」

 「ゾーベ・アーハン」や「サバーイェ・ゴム」、「ラーヘ・アーハン」などのチームで監督を歴任したモハンマドレザー・キャルブコンディー氏は、数年前にイラン・サッカー界での“汚いサッカー”の存在に気が付き、それ以来この悪しき現象に対する真剣な取り組みを求めてきたと指摘する。〔‥‥〕同氏は次のように言っている。

1383年〔西暦2004年〕ゾーベ・アーハンの監督をしていた時のこと、上位リーグ終了まで残り5週間という時点で、私のチームはあるチームと優勝争いをしていました。そんな折マフィア関係者の人物から連絡があり、「残り5試合のうち4試合に勝利できて、楽にチャンピオンシップを手にすることができる」と持ちかけてきたのです。

私は情報を得ようと、やり方を尋ねました。するとこの人物は、「我々はゾーベ・アーハンが対戦するチームのなかに代理人や〔我々の言うことを聞く〕選手がいる。彼らはオウンゴールをしたり、ペナルティーを与えたり、退場になったりすることで、あなたのチームが楽に優勝できるようにすることができる」と明かしたのです。

この話に驚いた私は無論、この人物に対して、こうした汚いやりとりに関与するつもりはまったくない、我々のチームは、たとえ優勝を逃しても、このような問題に汚染されたくはないと伝えました。

殺害の脅迫

 若手監督で「サバーイェ・ゴム」で成功を収めたアブドッラー・ヴェイスィー氏もまた、この問題について「90分」のリポーターの質問に答える形で、彼ら〔=マフィア〕の存在を聞けば、誰でも間違いなく唖然とするはずだと述べた。

 ヴェイスィー氏によると、サッカー・マフィアの一味は同氏のチームに、彼らの意中の選手〔の加入〕を押しつけようとし、それに失敗するや、彼らは同氏に対して殺害の脅迫をし、今後4〜5試合のうちにサバーイェ・ゴムのベンチから追い出してやると脅してきたという。

 同氏はその上で、「残念ながら、サッカーマフィアのネットワークはあらゆるところに張り巡らされており、彼らは意中の選手を監督やチームに押しつけようとしてくるのです。私自身も、意中の選手と高額な契約を結び、その選手の契約額から数パーセントのキックバックを受けているような監督を知っています」と述べた。

〔‥‥〕

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( 翻訳者:水谷陣也 )
( 記事ID:24032 )