シリア情勢:トルコのシリア難民キャンプの惨状
2012年08月15日付 al-Hayat 紙

■水と電気の不足、トルコのシリア人難民キャンプに危機

2012年8月15日 水曜日 『アル=ハヤート』

【アスラー・イードゥン・ターシュ・バーシュ *作家。トルコの『ヒュリエト』紙2012年8月1日の記事。翻訳はユースフ・アッ=シャリーフ】

約3か月前、トルコ政府はシリア人難民に「夢の土地」としてキリス(※トルコ南部の街)のキャンプを提供した。街全体が即入居可能な住宅で構成され、各住居の中には部屋とトイレ、台所付きの広間があり、街には学校や社会施設、レクリエーション施設も設置されている。

同キャンプは、全世界でお手本になるかもしれないと言われた!しかし、ここ2週間、同キャンプのシリア人難民は停電、断水、と生活環境の悪さに苦しんでおり、そのことから彼らが抵抗運動、デモ、放火を起こし、棒を持って治安担当の人間の一部を攻撃する事態が何度か起こっている。

私がキャンプに到着した瞬間、私は地面に横たわる数人のシリア人難民が道行く外国人たちに助けを求め、アラビア語で「水、水」と叫んでいる光景を目撃した。その光景は、難民の窮状とキャンプの状況を象徴していた。

その街から水と電気が途絶していることで、夢の街は痛みの街に変わってしまった。キャンプ-街の社会資本の状況は良好で、街には学校やモスク、食料品店、社会施設があるにもかかわらず、われわれが直面したのはゴミや汚物でいっぱいの街だった。学校や保育園、理髪店の門は水不足により閉じることを余儀なくされた。難民らが指紋撮影を通して‐キャンプ内では金銭も金銭取引も存在しないため‐必要なものを購入する、宇宙開発機構「NASA」のホールの1つを模したスーパーマーケットまでも、停電と指紋による支払いシステムの停止により閉鎖している。そのため、誰も何も買うことができない!我々が話を聞いた人々は皆この暑さと乾燥した天候の中、水不足と断水に不満を述べた。彼らは入浴することもできない。子供や女性の中には髪にシラミが広がった者もおり、先の5月にエルドアン首相がキャンプを訪問したときはこんな状況ではなかった。また、ある女性が彼女らの家のいくつかに私を連れて行ってくれたが、それは私に床が破損、劣化し、そこからキャンプ内に広がっている不快な臭気が発しているのを見せるためだった。

「ここにいる難民たちが何を欲しているのか?我々は彼らに住居を提供し、彼らのためにできる限りのことをしてきた。そして今、彼らはここで生活するための天国を求めている。(難民たちは)彼らの境遇をアッラーに感謝すべきだ。」という者もいる。しかし、誰がこの場所で数時間暮らそうと試みても、気温45℃にもなる中で、水も電気もなしで、この腐敗した臭いの中で、 そのことには耐えられないと気付くだろう。

(後略)

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( 翻訳者:辰巳新 )
( 記事ID:27362 )