サーレヒー外相「アメリカとの協議は立ち入り禁止区域ではない」
2013年02月05日付 Jam-e Jam 紙

 イラン外相は、イランとアメリカの協議は立ち入り禁止区域ではないと述べ、条件付きでイランとの直接協議に対する米副大統領の提案を歓迎した。

 イラン学生通信によると、アリー・アクバル・サーレヒー外相はプレスTVとのインタビューのなかで、イランとの直接協議に向けたアメリカ副大統領の提案について、「この提案に対するわれわれの見方は前向きなものである。これは一つの良い前触れであるように思われる。とはいえ、われわれはこれが単なるジェスチャーであるのかどうか、彼らの動きが現実的な意味合いを持つものであるのかどうかについて、もうしばらく見守る必要がある。その上で、われわれはこの件について決定を下すことになるだろう」と強調した。

 サーレヒー氏はさらに、「われわれもこれらがよいシグナルであると言いたい気持ちを持っている。われわれの政府は理性的であり、解決されないまま残されたすべての国際問題の、話し合いを通じた解決を模索している」と付け加えた。

 同氏は、イランとアメリカがイラクやアフガニスタン問題で話し合いを行ったことがあることについて指摘した上で、イラン政府にとってアメリカとの「二国間協議」は立ち入り禁止区域とは見られていないと明言した。

 サーレヒー氏は次のように強調した。「これは立ち入り禁止区域ではない。特定の問題について二国間協議の開催が提起された場合には、〔米との協議は立ち入ることのできない〕レッドラインとは見なされない。ここで私が意図しているのは、核問題のことだ。これはレッドラインではない」。

 同外相はさらに、アメリカは「すべての選択肢はテーブルの上に置かれている」〔=軍事的オプションを放棄したわけではない〕といったおしゃべりを次から次へと繰り出すなどの、「矛盾したシグナル」をイランに対して送ることはやめるべきだと強調、その上で「対立は協議を通じて可決されるべきだ。衝突ではなく、互いの〔意思の〕やりとりこそ解決の道である」と述べた。

 またイラン国営通信の報道によると、サーレヒー氏はドイツ外交関係評議会での講演の中で、「この新政権〔=第二次オバマ政権〕は今回、我が国に対する自身のかつてのアプローチを変えようと本当に考えている」と述べている。

〔‥‥〕

 こうした中、マヌーチェフル・モッタキー前外相は、外相としての最後の6ヵ月間にハーメネイー最高指導者と面会した際に、「われわれは核エネルギーの分野で、〔ウランの〕20%濃縮や遠心分離器の増設など、われわれが求めていたものをすでに手に入れていることを、革命最高指導者に申し上げた」ことを明らかにした。

 メフル通信によると、同師はゴムのゼイノル・アーベディーン・モスクでの演説の中で、「革命最高指導者に、現在彼らは優位な立場にいることを申し上げ、今こそ私たちに、核エネルギー問題を“整える”ための外交的シナリオを描く許可を与えてほしいと進言した」ことを明かした。

 同氏はさらに、「一方の皿に〔イラン〕国民の権利を乗せ、もう一方の皿に我が国が核兵器を追求しているのではないということを彼らに納得してもらうための“方程式”を乗せる〔=原子力エネルギーの開発というイランの権利は確保しつつ、国際社会にそれが純粋に平和目的であることを認めてもらう〕、そのための戦略を練るべきであるということを、その会合で〔ハーメネイー最高指導者に〕提起した」と述べた。

 モッタキー氏はその上で、「外交の本義とは相互理解に到達することであり、外交のやりとりの中では、相手側も何らかの利益を得るようにする必要がある」と指摘した。

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( 翻訳者:ペルシア語記事翻訳班 )
( 記事ID:29157 )