社説:エジプトの軍事機関は内外の板ばさみ状態にある
2013年07月26日付 al-Hayat 紙


■エジプトの軍事機関は内外の板ばさみ状態にある

2013年7月26日『ハヤート』

【ザイン・アブドゥルハーディー】

世界は今不確実な形で幾重にも錯綜(さくそう)した様相を呈しているため、思想家たちや専門家らが取り上げねばならない諸関係が存在する一方、世界にはカオス理論が存在しているので、以下は多くの議論と対話を要する見解であり、最終的なものではない。カオス理論は「ランド研究所」で育まれた。そこはアメリカで最重要のシンクタンクのひとつであり、あるいはまた民族や国民性までも餌食にしかねない凶暴なオオカミのような危険な存在でもある。カオス理論は、空気力学および風・ハリケーンの規模とその方向を観測する諸研究に由来しており、簡単に言うと、この理論の内容は「チョウが南半球で羽をはばたけば、北半球で竜巻が起こる」というものだ。別の表現をすれば「制御可能な現在が与えられれば、ほぼ未来は確定できる。だがおよそ制御不能な現在が与えられれば、混沌(こんとん)がもたらされるだろう」というものである。ここでは、カオス(混沌)は、これまで軍も国家も立ち向かったことのない「未知の敵」となる。「政治的カオス」理論はこうした理解に近い。つまり、われわれは混沌をそのままにしておいて、ある特定の地域において安定が見込まれる国家に最終的に行きつく強固な同盟の実現をめざすのである。これは、コンドリーザ・ライス前米国務長官が見いだした理論である。

ライス前国務長官の理論に基づけば「アラブの春」とはカオス理論の現実世界への応用であり、イラク国家とその軍の破壊はこの理論の応用の初期段階に過ぎなかった。「アラブの春が隠然たるカオス理論の応用である」ことを示唆する兆候はいくつもある。「アラブの春」はリビアにおいてもその軍事的・市民的構造を破壊したし、さらにはシリアにも飛び火して、イスラエルはそこでのすべての出来事を前に高みの見物を決め込んでいる。

ここで、がん細胞に冒された頭脳が発する問いはさらに飛躍する。エジプトの軍事機構の破壊を望む者がおり、その一方には、「エジプトの素晴らしき核心」─ここでは、エジプトの文化、幾多の記録文書、さまざまな思想、知力をさしている─が、数十年にわたり国家の血管の中を這い回ってきた怠慢、弛緩(しかん)、社会的正義と法の不在などに基づく腐敗のゆえに、かなり前から破壊されてきている状況が存在する。だから、エジプトの軍の破壊を望む者たちは、エジプト国家の核心を破壊しようと望んでいることにもなる。この破壊が実際に起これば、われわれはやがて政治的・民族的に分裂し、数十の戦闘集団間の内戦に至ることだろう。そして新たな国家または複数の小国家群の誕生の日まで大量の血が流れることだろう。

(後略)

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( 翻訳者:辰巳新 )
( 記事ID:30961 )