ロウハーニー大統領のニューヨーク訪問を分析する(下)
2014年09月30日付 Mardomsalari 紙

 確かに、ロウハーニー氏の国連総会での演説は極めて高度な外交的意味を有したものであったし、西洋のメディア筋の多くも彼の演説を称賛した。演説の際に多くの出席者が会場を立ち去ったアフマディーネジャード時代とは異なり、ロウハーニー氏の演説ではそのようなことは起きず、威厳と納得の雰囲気とともに、〔国連総会での各国首脳の演説という〕このセレモニーが挙行されたのである。

 勿論、デイヴィット・キャメロン氏の演説について指摘しておかねばならないのは、後々の話し合いによって、問題は現在のような険悪な状態から解放されるのではないか、ということである。というのも、我々はイギリスにイラン大使館が、またイランにイギリス大使館が〔再び〕開設されるのを望んでいるからである。故に、この問題について〔ことさら〕注意を払う必要はないように思われる。もちろん、近い将来、この問題を解決させるための新たな話し合いが行われる可能性もある。

 デイヴィッド・キャメロン氏とロウハーニー氏との会談は〔核〕交渉に影響を与えるものではなかった。というのも、〔核〕交渉の場を主に動かしているのは、実際にはアメリカであり、〔ニューヨークで行われた核交渉では〕新たな問題はなんら提起されなかったからである。

 われわれとしては2週間後に始まる予定の新たなラウンドで何らかの結論が得られること、そしてそれまでの2週間の間に、最終合意の形成に向けた雰囲気を用意するための交渉が、双方の間で内々に行われることに、期待している。というのもこれ〔=最終合意の形成〕が実現しなかった場合には、状況は双方にとってマイナスとなるだろうからだ。今まさに中東地域で起きている危機に注目したとき、イランの核問題を解決し、一致団結してダーイシュ問題の解決に取り組まねばならないという結論に至る必要が、アメリカにはあるだろう。

(国際問題専門家)




本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介されています。

Tweet
シェア


この記事の冒頭に戻る
原文をPDFファイルで見る

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:史 )
( 記事ID:35542 )