ロウハーニー大統領、エスファハーン酸通り魔事件の早急な犯人特定を指示(下)
2014年10月25日付 Iran 紙

「ヘズボッラーはこうした行為には手を染めない」

 検事総長は、酸かけ問題を「勧善禁悪(善を命じ悪を禁ずる)」に結びつけることは反革命勢力のすることだとの見方を示し、「このような行為に手を染める者は、法からも革命からも宗教からも乖離した人物である」と述べた。

 イラン学生通信によると、ホッジャトルエスラーム・ヴァルモスレミーン〔※アーヤトッラーよりも一段低い学識の宗教指導者への尊称〕のセイエド・エブラーヒーム・ライースィー師はアーヤトッラー・マフダヴィーキャニー〔※先日亡くなった保守派の重鎮で、専門家会議の議長〕の遺体を清める式典が行われている傍らで、「酸かけ事件を起こした犯人らに対しては、今後の教訓となるような対応が取られるだろう」と強調し、さらに「我々はエスファハーン一般検察の検事に対し、全身全霊をもって酸かけ犯らを検挙し、彼らに対して今後の教訓となるような対応を取るよう指示した」と述べた。

 同師はつづけて、「こうした問題を勧善禁悪と結びつけることは、反革命勢力のすることである。なぜなら、敬虔でヘズボッラーな勢力がこうした行為に手を染めるようなことは、決してないからである」と語った。

※訳注:「ヘズボッラー」とは「神の党」の意味で、「ヘズボッラーな勢力」とはイスラーム共和国体制とその価値観を熱狂的に支持・信奉する人々のこと。こうした「ヘズボッラーな人々」(極右勢力)が「善を命じ悪を禁ずる」というイスラームの教えを実践するために、ヘジャーブ(イスラーム的に妥当な服装)の乱れた女性を標的に酸をかけたのが、エスファハーンで起きた連続酸かけ事件だという噂が流れていることを、ライースィー師は非難している。

 同師はさらに、「ヘズボッラーは法律と最高指導者の指導をよく守る者たちであり、こうした行為に手を染めることは決してない」と強調した。

全国の金曜礼拝導師らも非難

 酸通り魔事件にたいする非難のうねりは、金曜礼拝の演壇にも達した。全国の金曜礼拝導師らは昨日の金曜礼拝での説教で、その他の重要問題とともにこの問題にも触れ、こうした行為は忌まわしいものだとの見方を示しつつ、犯人らに厳しく対応するよう求めた。

 アーヤトッラー・モヴァッヘディー=ケルマーニーは今週のテヘランでの金曜礼拝での説教で、エスファハーンで起きた酸通り魔事件について言及し、この事件は心痛む、極めて醜悪で非人間的なものであり、皆を悲しませたと述べた上で、「我々はこうした忌まわしい行為を強く非難する」と話した。

 イラン国営通信によると、テヘラン金曜礼拝で説教を行った同師はさらに、「この問題の責任者らに求めたいのは、一刻もはやくこの事件の犯人らを特定し、極刑に処して頂きたい、ということだ」と強調した。



本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介されています。

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( 翻訳者:YSHMRRYTR )
( 記事ID:35776 )