コラム:アラブの春は成功したのか?
2014年11月27日付 al-Quds al-Arabi 紙


■■民主主義の衰退とテロリズムの激化

【アブドゥルアリー・ハーミッディーン】

テロリズムは一輪の花ではなく、アラブ・イスラーム諸国の政治的・社会的・文化的土壌にその根をはっている。また、政治闘争における暴力に基盤を置く思想がわれわれの遺産の中に見いだされるのは明白である。…しかしながら、民主主義の後退とテロリズム・過激派の台頭とは確かに関係しているのだろうか?

アラブの春の日々に戻ってみよう。アラブ諸国で民衆による抗議の波が爆発したとき、われわれはいかにしてアル=カーイダの呼びかけが弱まり、暴力への呼びかけから輝きが失われ、アラブ地域におけるジハードの言説が後退していったかを見た。ジハード主義組織の識者のひとりは、平和的抗議運動、街頭での怒りの表明による体制転換についての意見を問われたとき、こう言った。「われわれの時代にはFacebookはなかった…われわれはカラシニコフしか知らなかった!!」

突如としてアラブ革命のダイナミズムが現れ、権威主義体制の象徴の一部を打倒することに成功した中で、アル=カーイダとその系列組織は後退し、遠くから現実に起こっていることを見つめていた…。

だが、次々と反革命が起こった。その中で特筆すべきことは、権威主義体制の象徴の一部が打倒されたからといって、これらの体制に継続的にエサを与えてきた強大な権力中枢や利益団体が打倒されたわけではないということである。これらの体制を解体して新たな体制を打ち建てることは、実現不可能なことに思われた…。

(後略)



本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介されています。

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( 翻訳者:前田悠作 )
( 記事ID:36008 )