妻、粗暴な夫に婚資金を要求—約束を守らせるための苦肉の策として
2014年11月25日付 Mardomsalari 紙

 愛に溺れた妻は暴力的な夫と別れられないと悟ったとき、自分に二度と暴力をふるわないと夫に約束させるため、婚資金を要求することに決めた。

 記者クラブの報道によると、この女性は家庭裁判所第268法廷を訪れて、離婚申請をした後、裁判官に次のように述べた。

もう夫のすることには、うんざりです。彼は私に対してとても不実で、共に生活してきたこの5年の間に、いつも私に暴力をふるってきました。私の夫ファルザードは女に手を上げる人で、ものの道理を理解しません。〔‥‥〕彼は怒ると、自分が何をしているのか分からなくなるのです。彼はいつも私を殴ってきます。彼の鉄拳に支配されている私には、抗議をする勇気もありません。

〔‥‥〕

 この女性は、次のように続けた。

でも、ファルザードが私にどんなひどいことをしても、私は彼と別れることができません。私はファルザードを愛しているからです。彼なしの生活など、私にとって何の意味もありません。それくらい、私は彼を愛しているのです。どんなことがあっても、私は彼の行為を我慢しますが、ただ婚資金の権利だけは行使したいと思います。彼も、自分のしていることをやめるかもしれません。金貨200枚の婚資金を要求しようと思います。婚資金を私に支払うだけのお金など、ファルザードにはないことを、私は知っています。だから、彼は私のことを恐れるようになり、私の言うことを何でも聞いてくれるようになるかもしれません〔※〕。

※訳注:婚資金は離婚の際に、夫から妻に支払われる一種の賠償金で、婚姻契約を結ぶときに設定される。婚資金を支払うことができなければ、夫は債務不履行を理由に、刑務所に収監される。

 彼女はその上で、

私が夫のことを愛しているのは事実です。どんなつらいことにも、彼のするどんなひどいことにも、私は折り合いをつけてきました。しかし、もう疲れ果てました。何らかの策を考えねばなりません。しかしどれほど考えても、私は彼と別れることができません。そこで私は婚資金の権利を行使し、ファルザードを裁判所に引きずり込みたいと思います。そうすれば、もう私を殴ったり暴力をふるったりしないとの約束を、この場で彼から引き出すことができるかもしれません。

 と指摘した。

〔‥‥〕



本記事はAsahi 中東マガジンでも紹介されています。

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( 翻訳者:唯 )
( 記事ID:36105 )