コラム:フースィー派はイエメンを制圧することができるのか?
2015年01月20日付 al-Quds al-Arabi 紙

■フースィー派はイエメンを制圧することができるのか?

【社説】

イエメンの組織「アンサール・アッラー」(その支持者はフースィー派として知られる)は昨日、アブドゥラッブフ・マンスール・ハーディー大統領の護衛隊に対して戦闘を行った。これは、国家に対して激しい戦争を行ってきた同組織にとっては、いかなる尺度においても小規模な戦闘であった。しかし、それにもかかわらずその戦闘は、1962年のイエメン・ムタワッキリテ王国に対する9月26日革命を始まりとする、イエメン史の大きな歴史的段階の終焉を告げるものでもある。

同組織はこの戦闘により、共和国大統領を包囲することを達成し、これに先立っては政府首班を包囲、2人を人質とした。2人に対する要求は、各省庁、軍、治安機関、広報機関などの残存するイエメン国家機関各部に対する二人の権力を利用し、国の公的権力に逆らって、フースィー派の望みを実現することである。

ハーディー大統領に期待された最初の決定は――この決定の発布を拒否したことが現在の急展開の一因であったのだが――マアリブ侵攻のためにイエメン軍部隊を利用するという決定である。マアリブ県は石油に富んでおり、同県を制圧すれば同組織に対抗する強力な諸部族に打撃を与え、さらにイエメンの経済的資源をフースィー派のもとに最大限集中させることが可能となる。

捕虜とされたイエメン政府は一昨日、和平と協力の協定に署名した全ての当事者に対し、国会と諮問議会に出席し会合を行うよう呼びかけた。もちろんこれは実行されなかったが、その代わりに大統領と同国の主要な諸政治潮流を代表する大統領顧問ら(フースィー派を代表するナースィル・サマード顧問も含む)との間で会合が行われた。(会合の結果)発表されたものを要約するなら、それは「署名した全ての当事者……等々」に対して再び会合を呼びかけるものであった。これは、新しいイエメンにおいて、あらゆる意味で大統領の地位は失われたということを明白に示している。この新しいイエメンは、至るところでフースィー派の攻撃勢力に制圧されたものである。

(後略)

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( 翻訳者:前田悠作 )
( 記事ID:36668 )