イランにおける尊属殺人の実態(1)
2015年02月04日付 Jam-e Jam 紙

不倫、突発的な怒り、そして妄想を引き起こすドラッグの使用が家族内殺人発生の最大の原因

【ジャーメ・ジャム紙別冊タペシュ8-9面:サイーデ・アサディヤーン】「麻薬中毒の男が兄(弟)を殺害」、「7発の銃弾によって母親を殺害」、「姉(妹)の結婚を阻むため彼女を殺害」、「覚せい剤使用者の夫によって若い女性が殺害」、「冷酷の限りを尽くして家族3人を殺害」‥‥

 これらは、連日新聞の事件面を賑わせている、尊属殺人事件を伝えるニュース・タイトルのほんの一部に過ぎない。尊属殺人とは家族内で起きた重大犯罪に対して用いられる用語であり、その中でも、家族の一人が他のメンバーを殺害する犯罪を指すものである。周知の通り、一部のケースでは犯罪が起きた後、殺害者が自殺することで、人殺しの悪夢に自ら幕を下ろすこともある。尊属殺人はイラン国内で起きる殺人の種類としては最多である。

 刑事裁判所の廊下は毎日のように、自らの配偶者を殺害したり、狂気の沙汰によって父や母、姉妹、兄弟の命を奪った殺人鬼たちを迎え入れている。さほど遠くない過去、ほとんどの殺人は家族内の男性によって犯されていた。しかし近年は、女性たちもこのような行為に及ぶようになっており、ときに身の毛もよだつ重大犯罪に手を染めることもある。

 統計によると、尊属殺人はイラン国内で発生した殺人事件の3分の1を占める。これらの殺人は、さまざまな動機で犯され、多くの家族を悲しませている。尊属殺人を犯した者たちは犯行の後、自身のしたことを後悔するが、しかしそれはもはや取り返しのつかないことであり、彼らは瞬間的な決断によってこのような犯行に手を染める。男たちは突発的な激昂の結果、殺人を犯すが、その一方で女たちは計画的に人を殺害する傾向にあり、彼女たちはまず自分の夫の意識を失わせることが多い。

 この種の殺人は動機や原因といった観点から、二種類に分類される。一つ目は家庭内暴力の末に発生する偶発的な殺人であり、多くの場合、ささいな喧嘩が、これといった動機もなく殺人へと至ってしまう。殺害犯は、この喧嘩が殺人に行き着くかもしれないなどとは、まったく考えていないのである。この種の衝突では、一般的にナイフやはさみのような日用品が凶器として使われる。

 二つ目は周到な計画によって、明確な動機をもって実行に移される殺人である。こうした殺人は、配偶者が〔別の男女と〕許されざる関係をもち〔=不貞を働き〕、それが他者によって暴露されたり、子供と親の間で対立が生じたりして起きることが多い。

つづく


Tweet
シェア


つづきはこちら
関連記事(社会に警鐘を鳴らす尊属殺人の増加)

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:ウズベク語秀子 )
( 記事ID:36908 )