トルコ:ヌスラ戦線などシリアの反体制派を支援、シリア政府高官とCIAがイラクで密談か?
2015年02月16日付 al-Hayat 紙

■トルコは「ヌスラ戦線」を支援し、シリア軍陣地を砲撃

【アンカラ:ユースフ・シャリーフ;ロンドン、ベイルート:本紙、ロイター、AFP】

複数のメディア筋は、トルコ政府が「シャームの民のヌスラ戦線」を支援し、シリア軍陣地を砲撃、トルコ領がシリアの反体制派の武器売買の市場と化していたことを明らかにした。一方、シリア人権監視団は、悪天候が回復して以降シリア軍戦闘機が空爆を再開するなか、イラン革命防衛隊クドス軍団のカーセム・スレイマーニー司令官とヒズブッラー軍事部門代表のムスタファー・バドル氏が、ダルアー県、ダマスカス郊外県、ダマスカス郊外県の間に広がる「南部トライアングル」地帯での戦闘を指揮していると発表した。

シリア西部のカサブ市一帯で昨年、「戦利品(アンファール)作戦」と銘打って行われた戦闘にヌスラ戦線とイスラーム戦線が正式に参加していたと最初に語ったのはトルコのメフメット・アリ・エディプ議員だが、トルコ政府は、ハタイ県出身のエディプ議員の主張を否定していた。しかし、『ジュムフリイェト』紙は、「戦闘員への武器売却」から、シリア軍拠点へのトルコ軍の迫撃砲による砲撃に至る軍事支援が存在していたことをスクープした。この事実は、ニーデ県で昨年、ダーイシュ(イスラーム国)メンバー2人がトルコ治安要員2人を暗殺した事件の捜査を通じて明らかになったという。事件の捜査ファイルのなかには、ウールハーン・ウールリーを名のるトルコマン系シリア人の証言が記録されている。トルコ治安当局はこの男性を追跡し、シリアの反体制派、具体的には彼の兄弟で「戦利品作戦」に参加した「シリア・トルコマン戦線」なる集団の司令官の一人アーディル・ウールリー氏と武器の売買について話していると思われる電話の会話を録音していた。

この捜査記録によると、ウールハーン氏は、アーディル氏からGPSシステム上のシリア軍の陳地の座標を入手し、それを与党AKP(公正発展党)のハタイ県の党員であるメフメット・トクタシュ氏に提供、(トルコ軍による)砲撃が行われることを電話で確認するとともに、砲撃の約束の期日が近いと迫っていたという。

また捜査記録によると、ウールハーン氏は対シリア国境のヤーイラーダーウ市の市長に電話し、「ムジャーヒディーン」(イスラーム過激派戦闘員)の(シリアへの)潜入許可を求め、これに関して「私は命令と指示に従って行動した」と述べたという。ウールハーン氏によって行われた武器売却のなかには、400万米ドル相当の取引もあったという。

別の事件の捜査では、先月ダーイシュの発砲でトルコ軍兵士複数が死亡した事件をトルコ軍が政府とともに隠蔽しようとしたことが明らかになっている。

シリア人権監視団によると、ダルアー県北西部郊外、ダマスカス郊外県西部、クナイトラ県郊外からなるトライアングル地帯では、スレイマニー司令官とバドルッディーン氏が指揮するヒズブッラー、イラン革命防衛隊がシリア軍、民兵の支援のもと、反体制武装集団と戦闘を続けた。同監視団によると、この戦闘で数百人が死亡、また「ヒズブッラー戦闘員の数は5,000人にのぼり、軍事作戦を主導している」という。

同監視団がイスラーム軍のザフラーン・アッルーシュ司令官の発言として発表したところによると、シリア政府高官とCIA職員がイラクで会合を開き、「ダマスカス郊外の問題を終わらせるよう求め」、シリア政府によって反体制武装集団支配地域を制圧することが示唆されたという。

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( 翻訳者:青山弘之 )
( 記事ID:36931 )