妻を殺害—原因は歳の差(1)
2015年05月06日付 Jam-e Jam 紙

【キヤーナー・ガルエダール】金曜日の夕暮れは、いつものように物憂げな雰囲気だった。秋の悲しげな空気も、この物憂げさを増幅させていた。カラスの鳴き声だけが、あたりを覆っていた。

 殺人事件担当の予審判事は、何事もない退屈な一日を過ごしているかのように、自宅のソファーに寄りかかっていた。すると突然、殺人事件専用の携帯電話が、けたたましく鳴った。署からだった。当直の警察官が、中年女性がテヘラン東部にある自宅で殺害されていると報告してきた。予審判事は指示をいくつか出した上で、警察官に殺害現場の保全を要請した。数分後、用意を整えて殺害現場に向かった。

 警察車両や救急車のサイレンが、現場の夕暮れ時の重たい沈黙を、突如として破った。近隣住民は、警察車両や法医学の救急車を見て、急いで路地に駆け込んだ。現場の状況は、凄惨な事件が発生したことを物語っていた。数分も経たぬうちに、路地には野次馬で一杯になった。何が起きたのか知ろうと、誰もが興味津々だった。

 予審判事と刑事警察の刑事らは、署の警官や身元特定警察の係官らとともに、次々と現場に到着し、路地の一番奥にある古びた4階建てのビルに入っていった。古めかしく、狭い、色褪せた路地は、なにやら不気味な雰囲気を漂わせていた。ビルの内側からは、男女数名のすすり泣く声が聞こえてきた。

 中年女性がナイフでめった刺しにされて殺害されていたのは、ビルの三階にある、ある部屋のなかでのことだった。証拠が示していたのは、殺害からさほど時間がたっていないということだった。部屋の隅には、血で汚れた石片がみえた。

 刑事事件担当の予審判事は現場入りした後、すぐに捜査を開始した。被害者はリラックスした服装を身につけていたが、頭部と顔面は血だらけだった。遺体は初期捜査の後、主要な死因を特定するために、法医学のもとに送られた。家族の人たちへの取り調べが始まらないうちに、近隣の住民は口々に、噂や感想を言い合っていた。何が起こったのか、正確なことを知る者は誰もいないにもかかわらず。

 犯行現場への初期捜査を終えると、予審判事は署の捜査官らに対し、取り調べを行うので遺体の第一発見者である若い女性を部屋に通すよう求めた。すぐに青ざめた表情の女性が、予審判事のもとにやってきた。

つづく


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( 翻訳者:42173 )
( 記事ID:37494 )