死刑囚の男、遺族の赦しにより絞首台から救われる
2015年06月01日付 Jam-e Jam 紙

【ジャーメ・ジャム・オンライン】麻薬が原因で人を殺めてしまった薬物常習者の男が、〔殺人を犯した加害者に対してキサース刑(同害報復刑)を要求する権利を有する〕被害者遺族の同意によって、死を免れた。

 ジャーメ・ジャム紙によると、ベフザード死刑囚はイラン暦1389年アーバーン月3日〔西暦2010年10月25日〕、麻薬代金の支払いについての口論が原因で、フーシャングという名の男性を殺害した。

 この若い男は逮捕後、〔裁判所〕第71法廷にて裁判にかけられ、キサース刑(同害報復刑)の判決が下された。そして5年の時を経て、殺害犯は被害者遺族から〔キサース刑免除の〕同意を得ることに成功し、キサース刑から救われることとなった。

 ベフザード被告は昨日、犯した罪の一般的側面に関して被告人席に立ち、次のように弁論した。

ブツが欲しいときはいつもフーシャングのところへ行き、彼から受け取っていました。最後のときも1万トマーン〔※日本円にして約330円〕分を受け取り、2日後に代金を支払うことになりました。

犯行当日、私は自宅で麻薬を吸引していたところ、フーシャングが連絡してきて、代金を要求してきました。金を持っていないと言うと、彼は悪態をつき始めました。それから私の家の前まで来て、叫びながら私を脅しました。

最初は彼をなだめようと努力したのですが、彼は私を罵るばかりでした。彼が短剣で私に襲いかかろうとしてきたので、私もナイフを取りだし、それが彼の胸のところに当たり、彼は負傷してしまいました。私は急いで彼を病院へ運びましたが、医師たちは診察後、彼が死亡したことを告げました。

 同被告は次のように続けた。

遺族の赦しを得るため、私の家族は持っていた物をすべて売り、1億5千万トマーン〔※日本円にして約500万円〕を〔キサース刑の代わりとなる賠償金として〕遺族の方々へ渡しました。今になって私は、麻薬が私の人生を台無しにしたことに気付きました。神に赦しを乞います。

 裁判官らは被告人による最終弁論の後、審議に入り、ベフザード被告に禁錮5年の判決を下した。

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( 翻訳者:8411168 )
( 記事ID:37779 )