コラム:シリア革命と勝利の道標
2015年07月31日付 al-Hayat 紙

■シリア革命と勝利の道標

【ハーリド・ハウジャ】

ダルアー市の完全解放作戦を完遂する準備が行われるのに並行して、シリア北部ではバッシャール・アサド政権軍が急速に衰弱を始めた。アサド大統領は、イドリブやハマー郊外、沿岸部の村落地域の一部において、反政府諸勢力が複数の戦略的要衝や検問所の支配を強化する状況に直面したのである。これは、同大統領が演説を行った翌日のことであるが、この演説は、真面目に耳を傾けるに値する彼の初めての演説だったといっても過言ではない。

2011年3月にシリア革命が勃発して以来、陰謀論に関する同大統領へのインタビューや演説、架空の勝利、何の意味もない空虚な言葉による作文が飛び交ってきたが、これらは完全に現実からかい離したものであった。しかし先週日曜日の演説では、アサド大統領は動かぬ真実を認め、将来的な方向に対する意図を明かした。シリア国民は、政権が戦略的要衝となる都市の支配権を反政府諸勢力の前に失い始めてからというもの、これらの兆しを感知していた。

アサドは、彼の軍が「人的エネルギーの減少」に苦しんでいることを認めたが、これは、もはや政権を守るためのシリア人が十分にいないという周知の情報を確認するものであり、彼に騙されていた、あるいは彼と利益の面で結び付いていたお守役すらいないということを示している。

かつて30万5千人の戦闘員を擁したシリア軍は、その4分の1の兵員を徴集することもできなくなった。これは、兵役拒否や兵役逃れ、あるいは離脱に加えて、軍に残っている者からも膨大な死者・負傷者数を出してしまったためである。

また、新たな要因もある。それは、完全にテヘラン当局に属する民兵組織を結成するために、イラン人が兵士や義務兵役を課された若者らを誘致していることである。これらの民兵組織は、テヘラン当局から俸給や命令に加え、宗教的教義とまでは言わないにしても 、戦闘における信条や政治的イデオロギーまでも甘受している。バッシャールは「ヒズブッラー」の戦闘員らに大いに依拠していることを認め、彼らは「国の防衛において重要な軍事的役割を果している」と述べた。彼は国という言葉は、疲弊しつつある自らの政権のことを指している。

(後略)

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( 翻訳者:前田悠作 )
( 記事ID:38321 )